ファイターズ
2025/06/16 17:30 NEW

《ハム番24時》6月16日

 

 懐かしい思い出だ。中継ぎひとすじ18年目の宮西はプロで1度だけ、打席に立ったことがある。2010年6月4日の巨人戦。場所は東京ドーム。七回に救援して無失点に抑えた後、イニングをまたぐため、裏の攻撃で打席に立った。

 本人に15年前の記憶を掘り起こしてもった。「あまり覚えていないけど、次も左バッターだったんかな。イニングをまたぐときに、打席が回ってきて…」。1点リードの局面。当時の梨田監督はその後の展開も見据えて代打を使わなかった。

 意地悪だが、あえて結果は覚えているか―と尋ねた。「三振。山口(鉄也)さんのスライダーは、ぶち消えたよ。スライダーと分かっていて振ったのに消えた。全盛期の山口さん。風神雷神(越智投手との強力セットアッパーコンビ)と言われていたころだから」と臨場感たっぷりに教えてくれた。

 初ヒットの野望を秘めていたが、もろくも打ち砕かれたという。「初球の真っすぐ、絶対に振ったろうと思っていたら待てが出て。案の定、ど真ん中に真っすぐがきて。2球目も待ってストライク。3球目、絶対にスライダーでしょと思って振ったら消えた。ボールない、え? って。言うても大学(関西学院大、関西学生野球連盟)のリーグ戦で打席に立っていたから、それなりの自信はあったんだけど、プロってすごい球を放るわーと思ったよね」

 打撃の話をするときの表情は生き生きしていた。思わず、もう一度、打席に立ってみたいか、と振ったら「立ちたい。でも今年の目標は代走やね。(伏見)寅威の代走。寅威よりはまだ走れるから」とニヤリ。自主トレで若手がおびえるくらい走る宮西。ベンチ入りの野手を使い果たすほどの死闘になれば、可能性はある? そんな妄想を膨らませ、記者もニヤニヤしてしまった。

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