札幌大谷1年生・矢野秀が全道デビュー戦で適時打&好守備【春季全道大会】
六回1死二塁、中前適時打を放つ札幌大谷の矢野=撮影・西川薫
■春季全道高校野球(5月27日、札幌円山)
▽1回戦 札幌大谷7-2苫小牧中央
支部予選は広いモエレでも本塁打
上々の〝デビュー戦〟となった。札幌大谷は14安打7得点と打線がつながり、苫小牧中央に快勝した。「7番・三塁」で先発した矢野秀内野手(1年)は初めてとなる全道の舞台で、打っては適時打を放ち、守ってはファインプレーを見せるなど、攻守でチームの勝利に貢献した。札幌支部予選では、広いモエレ沼公園野球場でアーチを架けたニューカマーが、大きな舞台でも躍動する。
ピンチを好守で救った直後に
ルーキーのビッグプレーで、窮地を脱した。2点リードの五回の守備。2死満塁の場面で、相手打者の放った打球が三遊間を襲った。ホットコーナーを務める矢野は横っ飛びで好捕し、二塁で一塁走者を封殺。一打同点、長打が出れば逆転を許す場面をしのぐ大きなプレーとなった。矢野は「先輩のために全力でプレーしました」と先発の岩淵英晃投手(3年)を、まずは守備でもり立てた。

そして守備からつくった流れを、直後の攻撃に持ち込んだ。六回1死二塁で迎えた第3打席。それまでの2打席は凡退し、全道初安打はお預けとなっていたが、チャンスの場面で一本を出した。1ストライクからの直球を叩くと、鋭い打球が相手投手のグラブを弾き、そのまま中前まで抜けていった。記念すべき全道初安打初打点に「絶対に打ってやろうと思ってました。良かったです」と笑顔を見せた。
三塁手で日本一経験ある監督も絶賛
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高校入学からわずか2カ月ほどで「緊張してました」と話すが、堂々としたプレーぶりは自信を感じさせる。矢野の攻守の活躍に五十嵐大監督(37)は「いいところで打ってくれましたし、あの守備は本当に大きかったです」と賞賛した。現役だった駒大苫小牧時代に同じ三塁手として日本一を経験した指揮官も「ナイスサードでした」とうなづいた。
1年生ながらベンチプレス95キロ
矢野の最大の持ち味は、パワーだ。ベンチプレスはすでに95キロを挙げており、支部予選での札幌国際情報戦では公式戦初本塁打を放った。記念すべきホームランボールは自宅に飾っているという。「打ったときは記憶がなかったけど、試合が終わったときに『打ったんだ』と実感しました」と振り返った。168センチと上背はないが、体重82キロという数字が示すように、体には厚みがある。
六回1死二塁、中前適時打を放った札幌大谷の矢野(右)
自主トレで1日1000スイング
打撃技術を磨くために、父・淳司さん(50)と二人三脚でトレーニングを重ねてきた。小学6年時からはシーズンオフの時期に、チームの練習とは別で「1日1000スイング」のノルマを課している。「大変ですけど、ここで活躍するためです」と心が折れることはなかった。毎日バットを振り続けた効果はてきめん。球春を迎えると「スイング力が上がって、体力も付いて、支部の最初の打席のときに中学よりもバットを振れている感覚があった」と手応え十分のまま、高校野球をスタートさせた。
次に狙うのは
中学時代は札幌大谷シニアに所属していたように「札幌大谷で甲子園に行きたい」と恋い焦がれて入部した。「目標は甲子園です。この代でも、1個上でも、自分らの代でも、全部甲子園に行きたい」とキッパリ。そのためにもまずは、今大会で実力を示す。矢野が次に狙うのは〝円山1号〟だ。
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