【一問一答】郡司裕也 今季2度目のサヨナラ打で連敗止める 殊勲の一打を予言していたコーチは…
九回1死満塁、サヨナラ打を放ち、喜ぶ郡司=撮影・村本典之
■パ・リーグ7回戦 ソフトバンク1-2日本ハム(5月21日、エスコンフィールド北海道)
日本ハムの郡司裕也捕手(27)が同点の九回1死満塁で、右前にサヨナラタイムリーを放って勝負を決めた。4月11日の西武戦(エスコン)での代打サヨナラ2ランに続き、今季2度目の劇的打となった。ヒーローインタビュー、試合後の一問一答は以下の通り。
【ヒーローインタビュー】
―興奮冷めやらぬエスコンのお立ち台からの眺めは
「(マイクの音が不調の中)サヨナラは…、慣れたもんですね」
―音声が少しだけ途切れてしまった。もう一度いいか
「(マイクを叩きながら)頼むよ!(苦笑)。はい、何でしたっけ?」
―もう一度、お気持ちを
「ちょ、もう一回言うの恥ずかしいんですけど(苦笑)。本当にきょうは、北山さいこーきくんがね、最高のピッチングをしてくれたので、これは負けるわけにはいかないぞ、っていう空気があったので。なんとか決められて良かったかなと思います」
ヒーローインタビューで「さいこうき」を披露する北山(左)と郡司
―サヨナラの場面はどんな気持ちで打席に入ったか
「正直、僕、モーレ(レイエス)と勝負かなと思って。ネクストで見ていて『モーレ決めてくれ!』と思ったんですけど、申告敬遠をされて。『この野郎!』って思ったんですけど、まあでも冷静に考えたら、『郡司、きょう3打数ノーヒットか。郡司勝負だな』って、冷静な頭が働いたので、冷静に打席に立てたので良かったかなと思います」
―捉えた当たりはライトへ
「僕らしい渋いライト前だったので、今後も渋くやっていこうかなと思います」
―サヨナラでのお立ち台は今季2度目。こういう場面に強い
「なんか僕、本当にこういう場面で回ってくるんですよね。なんかそういう星の下というか、なんて言うんですかね。きょうも(九回先頭の)マンチュー(万波)が最初、フォアボールを選んだ時点で、もうベンチで周りの選手に言っていたんですけど。『あ、これ1アウト満塁で郡司だな』って言っていたんで。なんか予想できるようになってきました」
―勝負どころで必ず決めるということについて、大事にしていることは
「勝負どころ以外であんまり打っていないんで(苦笑)、あんまり大きいこと言えないんですけど。勝負どころこそ、本当に冷静に、もう絶対、打ってやるっていう気持ち以外に、どう攻めてくるのかなとか、なんか第3の視点みたいなのを持って、日々プレーしています」
お立ち台でインタビューに応じる郡司=撮影・小田岳史
―今季2度目のサヨナラ勝ちで連敗ストップ。チームを代表してファンにメッセージを
「これをきっかけに連勝を積み重ねていって、首位独走していきたいなと思うので、皆さんも今後も熱い応援よろしくお願いします。ありがとうございました」
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【囲み取材】
―九回1死満塁の場面でサヨナラタイムリー
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「2回目のサヨナラですけど、それまでの3打席もまあまあ捉えたのが、(野手の)正面に行っていたので、いつもの郡司が帰ってきたなと。まあまあ捉えて、正面突いて、おいしいところを持っていくという、いつものパターンです」
―ヒーローインタビューで「1死満塁で回ってくるかも」と言っていた
「計算したんですけど、たぶんマンチューが出て、ピンさん(石井)か(清宮)幸太郎のどっちかがライト前打って一、三塁になって。で、盗塁(して)、二、三塁、モーレ敬遠。あ、満塁、郡司じゃん、というのは予想していて、その通りになったので。想定通りです。あと谷内さんから試合途中で『凡打がいつもの郡司っぽくなってきたよ』というふうに言ってもらって。『これ、おいしいところ持っていくパターンだな』という、谷内さんの予言もありました」

―自分に回ってこい、という気持ちで待っているか
「もうめちゃくちゃ『回ってこい』と思って、待ってました」
―レイエスが申告敬遠された時の心境は
「一瞬『この野郎!』と思って、(元巨人の)〝亀井怒りのホームラン〟みたいな気持ちで行こうかなと思ったんですけど(笑)。いや、ちょっと待てよと。冷静に『ここは郡司だろう』という。『郡司勝負、普通そうだよな』という、冷静な郡司がいました」
―冷静な中で、狙っていたのは
「大山投手が、すごく球種が多彩なピッチャーなので、球種を狙うというか、追い込まれた後はもう全部、食らい付いていくぐらいの感じでいきました」
―ファウルで粘っていた
「フォークもスライダーも、良いところに投げてきたんですけど、技術的に言えば、前の壁が崩れないように、なんとか付いていけたので、『これ、なんかいけそうだな』と思いました」

―谷内コーチが言っていた「郡司らしい当たり」というのは、どういうところが改善されてきたのか
「凡打の内容が良くなってきたというか、めちゃくちゃ打たされたとか、詰まらされた、泳がされた、じゃなくて、まあまあ良いスイングができて、(打球が)正面を突き出していたので、状態としては上がり目かなと思っています」
―新庄監督が追い込まれてからの場面を「さすがキャッチャーだな」と評価していた
「やっぱり向こうは大ピンチなので、(相手のキャッチャーが)どうやって抑えにくるかな、と絶対考える。なんでもない場合は、これでいいや、みたいな(リードの)時も多いですけど、ピンチだったら絶対、キャッチャーも意思を持ってサインを出すので、一緒になって考えるというか、僕がキャッチャーだったら、打者の僕をどう抑えるか、みたいなのを考えながらやっていますね」
―これで今季2度目のサヨナラ打
「ゲームなら〝サヨナラ男〟(の能力)が付きそうですね、これは(笑)。たいした能力じゃないんですけどね」
サヨナラ打を放った郡司(中央)がチームメートと抱き合う
―きょうは北山が好投。
「本当に申し訳ないな、という気持ちでした。ずっと今このチームは先発がめちゃくちゃ良いので。なかなか打てずに、勝ちを付けられないピッチャーもいますし、九回、普段バテそうな球数で、北山がバテずに最後まで気持ちで抑えてくれたので、応えてやりたいなという。九回が始まる前、ベンチの雰囲気もすごい良かったですし、『さあ、打ってやろうぜ!』みたいな、みんな声出ていましたし、良い流れが来たんじゃないかなと思います」
―ヒットが出ない時期もあったが、ターニングポイントになった打席はあるか
「やっぱりこの前(5月15日のオリックス戦で)先制タイムリーを打った時も、満塁で回ってきましたし、ああいう打ったらヒーローだし、打てなかったら戦犯みたいな場面で回ってきてくれた方がいいんじゃないかなと思い出しましたけど。切羽詰まった方が、追い込まれた方が。きょうも追い込まれてからですし、崖っぷちに立たされる方がいいんじゃないかなって思い出しました。なのでタイムリーの打席から、ちょっと良くなってきました」