清宮幸太郎 同点打&サヨナラ機演出 野球以外で心待ちにしていること
四回1死二塁、清宮幸が同点打を放つ=撮影・小田岳史
■パ・リーグ7回戦 ソフトバンク1-2日本ハム(5月21日、エスコンフィールド北海道)
適材適所で効果的な一打
価値ある2安打で勝利をたぐり寄せた。日本ハムの清宮幸太郎内野手(25)が2安打1打点を記録し、連敗脱出に貢献した。
1点を追う四回に中前へ同点打を放つと、九回には好機を広げる一打で郡司裕也捕手(27)のサヨナラ打を演出。いまだ3本塁打と持ち前の長打力は鳴りを潜めているが、我慢強く快音を重ねながら、一気に上昇する時を待つ。
1球で仕留めた同点タイムリー&しぶとくチャンス拡大
主役は譲ったが、劇的勝利の名脇役となった。0-1の四回1死二塁で迎えた打席の初球だった。ソフトバンクの先発左腕・松本晴のスライダーを中堅左に運び、二走の石井を同点のホームに迎え入れた。「石井さんがチャンスをつくってくれたので、なんとかモノにしたいと思ってました」
そして、同点の九回には1死一塁から、一、二塁間をしぶとく破る右前打でチャンスを拡大。「いい具合にいいところに転がってくれた」と、郡司のサヨナラ安打を見事にアシストした。
九回1死一塁、右前打を放った清宮幸
【道新スポーツ全部読める 2千円お得な年払い】
ファンの支持を意気に感じて
この記事は有料会員限定です。
登録すると続きをお読みいただけます。
〝御礼適時打〟となった。この日、オールスターのファン投票第1回中間発表が行われ、清宮幸はパ・リーグ三塁手部門でトップに立った。過去のオールスターには、2022年に最後のプラスワン投票で滑り込んだことがある。その第1戦でサヨナラ本塁打を放ち、MVP獲得という最高の結果を残した。
「出るに越したことはない。楽しいですし、行きたいです」と今度はファン投票での出場を狙う。ただ、現状の成績には満足しておらず「もっと打たないと。あとはちゃんと守って、文句なしで行けるように」と巻き返しを誓った。
22年の球宴第1戦でサヨナラ本塁打を放ち、全パの選手たちに迎えられる清宮幸(中央)
心待ちにする「絵空事」札幌店オープン
さらに、野球以外でも楽しみなことも待っている。父・克幸さんが共同運営する玄米うどん専門店「絵空事」が、6月上旬に札幌店をオープンさせる。昨年12月にオープンしたニセコ店の期間限定営業を経ての札幌進出に、清宮幸も「ついにですね。楽しみです」と笑顔を見せた。
マネジャーの玉川雄太さんとは同じ年で親友のような間柄。玉川さんがニセコ店の営業と並行して、札幌店の準備をしている時期には「あいつ、ニセコと札幌を行ったり来たりしてるらしいです」と思いやっていた。
【人ほっとコーナー:F清宮の父が共同運営する玄米うどん専門店のマネージャー・玉川雄太さん】
誰もが待ち望んでいる美しい放物線
札幌店開店までこぎ着けた玉川さんに負けじと、清宮幸もさらに調子を上げていきたいところだ。
いまだ爆発力は示せていないが、コンスタントに安打を記録。「劇的に変わるきっかけがありそう」と、かすかながらではあるが、上向き気配も感じ取っている。次は清宮幸らしい、きれいな放物線を描き、主役に名乗り出る。
四回1死二塁、同点打を放った清宮幸がベンチにポーズ=撮影・村本典之