山崎福也 8年ぶり完封で今季2勝目 「誘う勇気がなくて」できないこととは
完封勝利を飾り、ガッツポーズする山崎=撮影・岩崎勝
■パ・リーグ6回戦 日本ハム8-0ロッテ(5月16日、ZOZOマリンスタジアム)
2867日ぶりのシャットアウト!
日本ハムの山崎福也投手(32)がロッテ打線を手玉に取り、今季2勝目を挙げた。
オリックス時代の2017年7月10日、日本ハム戦以来となる自身8年ぶりの完封勝利。「うれしいです。先頭打者もあまり出さず、投球内容も良かったので、この結果につながったのかなと思います。(ZOZOマリンは)好きな球場なので、ワクワクした気持ちでした」と、敵地に詰めかけたファンにさわやかな笑顔を振りまいた。
完封勝利を飾り、伏見(左)とハイタッチを交わす山崎
いきなりの3点先制にも気を緩めず
一回表に、打線から3点のプレゼントをもらった。それでも、「初回は正直、何点入っても変わらないというか、まずはしっかりと自分のピッチングをしないといけない」と気を引き締めてマウンドに上がった。
一、二、三回と毎回安打を浴びたが、冷静に後続を断ってリズムに乗ると、七回まで三塁を踏ませない圧巻の投球を披露した。

新庄監督からの〝打診〟にも心揺れず
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味方打線の援護にも恵まれた。四回に細川の適時打で追加点が入り、七回には水野の3ランでダメ押し。「七回に3点入った時は結構、気持ちが楽になりましたね」
直後には新庄監督からは「打つ?」とDHを解除して打席に立つ打診を受けたが、「さすがにまずいと思ったので」と〝本業〟に専念した。

最大のピンチで三球三振
7点リードの八回に1死二、三塁と、この日最大のピンチを招いた。「もう、一発(本塁打)を食らっても良いかなぐらいの感じで」と開き直って藤岡を三球三振に仕留めると、続く藤原には二ゴロを打たせ、ほえた。
「思いっきり腕を振ったら、良い結果でした。三球三振も取れて、あの回で点が入らなかったので、最終回も行けた。満足です」。今季最多の122球で7三振を奪い、スコアボードに9個の「0」を並べた。
八回2死二、三塁、ロッテ・藤原を二ゴロに打ち取り、ほえる山崎=撮影・松本奈央
安定感抜群の防御率0.94
今季はここまで6試合に先発し、2勝1敗と白星こそ多くはないものの、防御率は0.94。首位を走るチームで大きな存在感を示している。
活躍の裏には、野球のために自分の時間を惜しみなく使うストイックさがある。登板が終われば、次の登板に向け、すぐに準備をスタートさせる。「ケアしたり、マッサージを受けたり、そういう時間が多いですね。状況にもよるんですけど、次の試合に向けての準備なので、休みという休みはないです。本当にぐったりする日をつくりたい時もあるんですけど、そこらへんは状況を見ながら過ごしています」
ブレない信念 「生活の中心が野球ので」
ストレス発散法も、野球だけだ。
「結果を残すことですね。良い結果を残せればストレスの発散もできますし、充実感もある。野球でいかに良い成績を残すか、それによって解消できたり、ストレスは変わってきますね。ダメな時はストレスがたまりますし。生活の中心が野球なので、そこに左右されますね」と本音を明かした。

ベテラン左腕は誘われ待ち!?
加入2年目で、チームにすっかり解け込んだ左腕だが、周囲に気を使う優しい性格は変わらない。
「僕は結構、1人行動が多くてですね。(チームメートと)食事に行けたら行きたいなとは思っているんですけど、まあなんか、後輩も気を使ったりするかなとか、いろんなことを考えてしまうので、なかなか誘う勇気がない、という感じですね。連れて行ってください、という感じだったら行きますけどね。後輩発信で行きましょうよ、という感じで来たら、全然、行く?というのは言えますけど、そんなにみんながっつりは来ないですよね」と苦笑いだ。
試合終了後、チームメートとハイタッチを交わす山崎(右)
目指すは優勝の2文字
完封勝利を飾ったこの日も、すぐに次を見据えていた。
「うれしい気持ちでいっぱいですけど、まだシーズンは長いので、こういうピッチングとは言わず、ゲームメークできるようにというのは思っています」。真面目でちょっぴりシャイなイケメン左腕が、貯金を今季最多の「8」とした好調なチームを優勝までけん引する。
完封勝利のスコアーボードを指さす山崎