菅野孝憲 完封勝利で守護神返り咲きへ「良い選手は力を出し続け、力を証明し続ける」
2試合連続スタメン出場を狙うGK菅野。富山を完封し、札幌を3試合ぶりの勝利に導く=撮影・宮西雄太郎
■5月16日、札幌・白旗山競技場
北海道コンサドーレ札幌は16日、札幌市内で翌日に控える第16節富山戦(14時開始、プレド)へ向けて全体練習を行った。前節のいわき戦でリーグ戦11試合ぶりの出場を果たしたGK菅野孝憲(41)は「どんな試合も、日々の練習でもキーパーは常に0が求められる。自分の仕事に集中することが大事」と、2試合連続スタメンとクリーンシート達成を目標に掲げた。
「自分の仕事に集中することが大事」
不可抗力なアクシデントを乗り越え、頼れる男が帰ってきた。3月9日の千葉戦で負傷退場して以来、リーグ戦の舞台から遠ざかっていた菅野が、いわき戦でスタメンに復帰した。同戦では至近距離からのシュートを左手1本でセーブするなど、ハイパフォーマンスを披露。貴重な勝ち点の積み上げに貢献した。
17日の富山戦に向け、GK練習を行うGK菅野(中央)
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約2カ月間、中野に守護神の座を譲っていたが、安定感は健在だった。PKによる1失点と奮闘した前節を振り返り、ベテランは「いつも通り落ち着いて自分の仕事に集中することを心がけていた。ピンチらしいピンチもなかったので、心身ともに練習通りできたと思います」と淡々とした表情。実戦勘の不足を感じさせないプレーの裏には、隠された努力がある。
衰え知らずのベテランが大切にしているのは
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並外れた運動能力と鋭い反応速度は、不惑を超えた今も変わらない。百戦錬磨のベテランは、日々の練習を誰よりも重要視する男だ。「良い選手は力を出し続け、力を証明し続ける。それを毎日の練習から意識しています」とサラリと言う。練習と試合を繰り返すプロフェッショナルは、その場のデキに一喜一憂せず、最高のパフォーマンスを追い求める。
毎日の鍛錬の先にあるのは、チームの勝利だ。今季は先発出場した試合で白星がなく、いわき戦後には「僕は今季、試合に出て勝ってない。まだ何も貢献できてない」と偽りない本音を吐露した。

相手がどこでも関係なし ぶれずに目標へ
勝利への執念は増すばかりで「キーパーだけでなく、全選手、全スタッフ、全サポーターが勝ちたいと思っている。相手がJ1でも海外の強いチームでも関係なくて、自分たちが何をするかに集中したい」と、迫る一戦へ向けて精神を研ぎ澄ました。
札幌は現在、リーグ14位と低空飛行を続けている。目標に掲げるJ1昇格のためにも、これ以上の負けは何としても避けたい状況だ。
パス練習するGK菅野(左から2人目)
巻き返しの鍵を問われた菅野は「一人一人がもう1個、2個ギアを上げないといけない。そうすれば自ずと結果は付いてくる。シーズンが終わったときに必ず、笑って終われると思っている。その過程でどういうことがあろうが、ぶれずに目標へ進んでいきたい」と言い切った。
酸いも甘いも知る男の言葉には、不思議な力がある。カムバックした背番号1が、札幌のゴールにがっちりと鍵を掛ける。