BTOP北海道が2年ぶりV 日本の天才レフティーに憧れるMF宮原が1G1A【天皇杯北海道代表決定戦】
BTOPが2-1で競り勝ち、先制点のDF浜(右から2人目)と1G1Aの新戦力MF宮原(同3人目)らが喜ぶ=撮影・西川薫
■天皇杯全日本サッカー選手権大会北海道代表決定戦最終日(5月11日、岩見沢・岡山スポーツフィールド)
▽決勝 BTOP北海道2-1北海道十勝スカイアース
発足4年目のBTOP北海道が、2-1で北海道十勝スカイアースに競り勝ち、2年ぶり2度目の優勝を果たした。横浜FCの下部組織出身で新加入のMF宮原輝(23)が前半37分に右コーナーキックからDF浜大耀(26)の先制ヘッドをアシストすると、前半終了間際にはペナルティーエリア手前で得たフリーキックを直接決めるなど、1得点1アシストの活躍。勝利したBTOP北海道は、25日に青森・プライフーズスタジアムで行われる本大会の1回戦で、JFLのラインメール青森FCと対戦する。
「FKは自分の一番の特長」
BTOPのMF宮原が前半終了間際にFKを直接ゴール右にたたき込んだ
日本サッカー界のレジェンド・中村俊輔氏(46、現横浜FCコーチ)に憧れるレフティーが北の大地で躍動した。1-0で迎えた前半終了間際のFKでは、相手GKの手を弾いてそのままゴール右にたたき込んだ。「フリーキックは自分の一番の特長と言っても過言ではない。昨日(準決勝で)1本外して責任を感じていたし、今日こそ絶対決めるって気持ちを持って臨んでいた。ああやって良い位置でフリーキックを取ってもらって、あとは決めるだけ。ボールを置いた時点で、今日はいけるという感触はあったので、自信を持って左足を振れたことが良かった」と声を弾ませた。
隣のピッチで見た練習する姿に感化 複数クラブを断ってBTOPへ
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東京出身。横浜FCジュニアユースとユースでプレー。すると「高校生の最後の年に中村選手が(トップチームに)入ってきた。隣のグラウンドでフリーキックとか蹴っているのを間近で見られる環境にあったので、本当にその1年間がすごい自分の刺激になりましたし、自分もあそこまで行きたいという気持ちがあった」。
札幌MF田中克の存在も大きかった
トップチームには上がれず、日本大学での4年間は社会人チームの「日本大学N.」で過ごした。卒業後の昨季は、関東1部の南葛SCでプレー。今季からは関東リーグなど複数クラブのオファーを断り、出場機会を求めてBTOPに加入した。北海道コンサドーレ札幌のレフティー・MF田中克幸(23)とは「大学時代からすごい仲良くて。北海道に来るにあたっても、克幸くんの存在は大きかった」。田中克も左足を得意とするが、「まだそこの立場にも立ててないんで、本当この1年間が勝負だなって思ってますし、早く同じ土俵まで立てるように頑張りたい」。
BTOPのMF宮原(中央)がFKを決め、味方ベンチ前でチームメートと喜び合う
天皇杯は全国に名前を売るチャンス
中村氏がデビュー時や引退時に付けていたのと同じ「25」を背負ってプレーする。目標はJリーグ入り。そのためには全国の舞台で結果を残すことが一番の近道だ。「天皇杯(出場権)は必ず取りたいって思ってましたし、次のラインメールに勝てば(横浜F)マリノスとやれる。本当にそこに全員がモチベーションを持って取り組めていると思うので、まずラインメール、マリノスと試合をして、そこで一発自分の持ち味を出せれば、だいぶ可能性が広がってくる」。左足1本でJの世界までのし上がってみせる。
■今季から社長業と平行して指揮官を務める元Jリーガーの矢野哲也新監督(40)
「(天皇杯は)ただ試合をしに行くつもりはないし、最終目標は当然JFL昇格だとか、今年のリーグ戦優勝、全国地域サッカーCLで勝つことではあるけど、そのためにはやっぱりレベルの高い相手とのゲームでどれだけできるかというのを、この段階から試せるというのはすごく大きい」
■前半37分に先制点を決めた元札幌のDF浜大耀選手兼コーチ(26)
「(天皇杯は)下馬評通りにいけば負けて敗退というのはあると思うけど、そこはしっかり自分たちの実力を認めて、少しでも一矢報いてやれるように。トーナメントっていうのもあって、全然、勝機がゼロというわけではない」
元札幌のDF浜(中央)が前半37分に右CKを頭で合わせて先制点を決め、チームメートと喜び合う
2年ぶり2度目の本大会出場を決めたBTOP北海道