サッカー
2023/06/07 22:30

【天皇杯】BTOP北海道 J1湘南に大敗も価値ある1ゴール! 磯部監督「次につながる」

後半26分、ゴールを決め雄叫びを上げるFW海野(左手前)=撮影・金田翔

■天皇杯全日本サッカー選手権2回戦 湘南6-1BTOP北海道(7日、神奈川・レモンガススタジアム平塚)

後半26分、FW海野がゴール

 この経験を力に変える―。天皇杯初出場のBTOP北海道が2回戦でJ1湘南に敗れた。序盤から失点を重ね前半を0―3で折り返すと、後半はさらに3失点を喫した。しかし、後半26分には途中出場のFW海野捷人(26)が得点を挙げ、一矢報いてみせた。磯部和彦監督(28)は「J1の相手から1ゴール取れたのは、今後にも大きい」と目を細めた。

 大差が付いても下を向く選手はいなかった。BTOP北海道イレブンはひたむきにボールを追い続けた。そして後半26分、スルーパスに反応した海野が裏に抜け出し、最後はGKとの1対1でも焦ることなく冷静にゴールを沈めた。「0―6と1―6では全然違う。J1相手に自分たちで1点を取ったのはいい財産になる」と自信を深めた。

教え子がスタンドから声援「気持ちが折れなかった」

 海野にとっては心強い〝援軍〟もいた。普段は練習と併行して子供たちに体の使い方を指導するトレーナー業を行っている。その教え子たちがスタンドから声援を送っていた。「結果を出したいと思っていたので、みんなの前でかっこいい姿を見せられて良かった。あれだけの点差が開いても、気持ちが折れなかったのは子供たちのおかげ」。

 大差を付けられたが、持てる力で立ち向かった。J1クラブ相手との実力差は明白で、攻守において圧倒された。それでも守りを固めるわけでもなく、指揮官が「自分たちがやっているサッカーがどこまで通用するのかやってみようと、チャレンジしました」と話したように、格上相手に攻めるサッカーで挑んだ。「今までに見たこともない強度、スピードを感じたと思うけど次につながると思います」と、結果は大敗だったが有意義な90分になったのは間違いない。

濱主将「JFL昇格に大事な一歩」

 この日のスタメンの平均年齢24.3歳と若いチーム。DF濱大耀主将(24)も「JFLに昇格するために大事な一歩になる。うまくはいかなかったけど、下向く内容ではない」と〝収穫〟を口にした。国内トップレベルを肌で感じられたことは、秋に向けての大きな財産となった。