山本拓実 〝勝ち運〟発揮し今季初勝利 2軍降格時、郡司裕也から届いたメッセージとは-
五回1死二塁、楽天・伊藤を遊ゴロに打ち取り、グラブを叩く山本拓=撮影・松本奈央
■パ・リーグ7回戦 楽天7-8日本ハム(5月10日、エスコンフィールド北海道)
1軍再昇格した日本ハム・山本拓実投手(25)が、2点を追う五回から2番手で登板。先頭・辰己に安打を許したが、1回を無失点に抑えた。その裏、万波の満塁弾で逆転に成功。昨季リリーフで6勝を挙げた〝勝ち運〟をまたしても発揮し、今季初勝利をマークした。
五回無死満塁、逆転の満塁本塁打を放った万波(手前右)を迎える山本拓(左から2人目)らチームメート
清宮から「また?」
「清宮とかには、ナイスピッチの前に『また(勝ち星)?』と言われた」と照れ笑い。「まずはゼロで帰れてよかったなというところですね。先頭バッター出した時はどうなるかと思いましたけど、キャッチャーが今日はいいリードしてくれた」と感謝した。

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今季は開幕1軍入りを果たしたが、調子が上がらず、4月6日に出場選手登録を抹消された。約1カ月ぶりの1軍マウンド。捕手は一昨年6月に共に中日からトレードで加入した郡司だった。
キャッチャーは郡司 ゆうやまーんバッテリー
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「昇格してからボールの使い方とかも変えて、こういう感じで攻めますとキャッチャーのみんなに話していたので、ちゃんと覚えているかなって思いながら(笑)。それで球の選択を間違えていたらキャッチャーが悪い、くらいの気軽な気持ちでいけたのでよかったです」

2軍で磨いた武器シンカー生かす配球
2軍では金子2軍投手コーチの助言もあり、シンカーの投球割合をアップ。気心知れた女房役は、新たな武器を生かすリードをしてくれた。2死二塁からシンカーで小郷を空振り三振に仕留め、「一つ三振も取れましたし、自分の投球の幅を広げて(1軍に)帰ってくることはできたのかなと思います」とうなずいた。
パワーアップして1軍復帰。2軍調整中も前向きでいられたのは、中日時代からバッテリーを組む郡司のおかげもあった。「あの人、抹消の時に絶対LINEくれますから。ちゃんと毎回。僕も抹消の時に明るく振る舞っていたんですけど、悔しいのは悔しい。去年とか僕、みんなの前で泣いちゃったんですよ…。今年もちょっと半泣きだったんですけど、悔しすぎて」。
五回、2番手で登板した山本拓=撮影・宮永春希
抹消の時に必ずくれるLINE「優しいんですよ」
2軍降格を告げられ、チームメートへ挨拶回り。「気まずいじゃないですか。同情みたいなのが」。落ち込んでいると、いつも郡司からメッセージが届く。「去年とかはめっちゃ泣いていたので、そんなに泣くなって、夜中2時に来ていました。人生長いから、待っているよみたいな。今年は、まだオレのトレードした年齢やから。まだまだ余裕よって。優しいんですよ」。ポジティブな言葉に勇気づけられてきた。
五回、マウンドへ向かう2番手の山本拓(左)と郡司
さて今年の2人のペースやいかに?
昨季は共にファイターズでフルシーズンを完走。移籍3年目を迎え、〝ゆうやまーん〟のコンビ名はすっかり定着した。「あの人8月くらいにバテるので、毎年(笑)。去年も一昨年も郡司さんが出だしよくて、僕が追いかけて8月くらいに調子上がってくる」と山本拓。〝ゆうやまーん〟の絆は強い。ともに支え合い、タフなシーズンを乗り切る。
五回を無失点に抑えた山本拓(左)を迎える郡司(右)