ファイターズ
2021/12/10 14:14

五十幡 あるぞ俊足4番 ビッグボス描く型破りプラン

自主トレを終え、グラウンドを後にする五十幡。ビッグボスから4番候補にも指名され、やる気倍増だ(撮影・桜田史宏)

 あるぞ4番・五十幡! 日本ハム・五十幡亮汰外野手(23)が9日、千葉・鎌ケ谷の2軍施設で自主トレ。ビッグボスこと新庄剛志監督(49)から、4番候補に指名されていたことを明かした。先日放送されたテレビ番組で、指揮官は「4番は足の速いバッター」と打順の構想を披露。サニブラウンに勝った男として名をとどろかすスピードスターが新たな4番像をつくり出すかもしれない。

秋季キャンプ視察時に示唆 

 セオリーに縛られないビッグボス流の仰天オーダーが見られるかもしれない。中学時代に陸上短距離全国2冠に輝いた五十幡。50メートル5秒6の俊足を誇るスピードスターが来季の4番候補に挙がっていることが判明した。
 この日、五十幡が「自分から言っていいのか分からないですけど」と前置きした上で、「新庄さんから『4番候補だからな』と言われた。笑いながらでしたけど、期待してくださっているなと感じた。それに応えられるよう、このオフしっかりやっていきたい」と明かした。
 本人も「ありえないなと思った」。驚きのプランを告げられたのは秋季キャンプの時だ。視察に訪れた指揮官から、股関節の柔らかさの重要性を説かれ、さらに「足があるから、しっかり下(半身)も使えるし、バッティング技術を磨いていけば、飛ばせるパンチ力は出てくる」と4番での起用を示唆された。
 学生時代は主に1、2番を担い、4番となれば、行田東フェニックスに所属していた小学6年生以来。突拍子もない構想に見えるが、ビッグボスが掲げる機動力や小技を生かした「スモール・ベースボール」を体現できそうだ。
 スピードのある五十幡なら、満塁でゲッツー崩れの間に1点をもぎ取ることも可能。5月23日の西武戦(メットライフドーム)でプロ初本塁打を放つなど、171センチ、67キロと小柄ながらパンチ力も秘めている。
 新庄監督のテレビ番組での発言はチェックした。「(4番と)言われたら、やるしかない。強くて鋭い打球を打つ練習を続けて、まずはレギュラー定着、スタメンを勝ち取れるようにやっていきたい」と意気込んだ。
 日本球界では長打力のある打者を4番に据えるのが一般的で、チームを代表するスラッガーが担ってきた。その固定観念を次々と覆してきた、われらが新庄ビッグボス。「4番・五十幡」は誕生するのか。来季に向けて、ワクワクが止まらない。

新庄監督 相手が嫌がる打順構想

 新庄ビッグボスは、6日に放送されたバラエティー番組に出演し、打順構想の一端を明かしていた。「僕の4番バッターは6番なんです。6番が一番、ランナーがたまっている(時に回ってくる)」と語り、続けて「足の速いバッターが4番なんです」と持論を展開。従来のセオリーからは外れる“俊足4番”を思い描いている。
 守る側の目線から生まれたアイデアだ。「2死満塁で足の速いバッター、特に左バッターとか(打席に)いたら慌てる。で、悪送球。それで2点入る野球も面白い」。相手の嫌がることを積極的に実践する可能性を示唆した。
 ビッグボスからオープン戦初戦の“監督”に指名されたエース・上沢も「やっぱり足を使われるのは嫌」ときっぱり。「4番・五十幡」は早い段階で披露されるかもしれない。

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