コンサドーレ
2021/11/24 14:31

《平川弘のCool Eye》唯一の北のJ1クラブとして責任重大に 仙台13季ぶり降格で

ピッチに座り込む高嶺朋樹をねぎらうGK菅野孝憲

 指揮官は今季、歯が立たなかった試合はほとんどないと言う。0―1で敗れた鳥栖戦後もそうだった。だが、負けた。決定力不足で。FWトゥチッチは今までで一番、ゴールに近づいたが、無得点。なかなか結果が出ない。
 失点はGK菅野のキックミスを拾われてのものだった。シュートに対してMF深井と菅野が、お見合いしてしまったのも痛かった。
 だが、発端はMF駒井が菅野へのバックパスを浮かしてしまったことにある。自陣深くでプレッシャーを掛けられた駒井はゴロのパスを戻すことができなかった。
 慌てた菅野は足でコントロールして難を逃れたかに見えたが、ボレーキックが精度を欠いた。心のどこかに「浮かすんじゃねーよ」という駒井への思いがあったのだろう。ミスが重なった、もったいない失点だったが、鳥栖の厳しいプレスが効いた。決定力がないなら相手ボールを奪って攻めるしかない。
 20日に横浜FC、仙台、大分のJ2降格が決まった。同日に3クラブが降格決定となるのは初めてらしい。残る1チームは徳島、清水、湘南の3チームの中から決まる。
 仙台は13季ぶりの降格となった。長くJ1で頑張っていた。同じ北国。J2時代から、しのぎを削ってきた同志という意味でも寂しくなる。J1でまだ連続5シーズン目の“新米”札幌。来季、東北以北で唯一のJ1クラブとして責任は重大だ。(本紙評論家)

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