ファイターズ
2021/11/16 14:18

二刀流・上原 打者本格始動

投打二刀流に挑戦する上原が本格的に野手メニューに参加。フリー打撃では3本の柵越えを放った(撮影・近藤裕介)

 打者・上原、本格始動! 来季から投打二刀流に挑戦することを表明した日本ハムの上原健太投手(27)が15日、沖縄・国頭で行われている秋季キャンプで、プロ入り後初めて野手の全体練習に参加した。フリー打撃では21スイング中3本の柵越えを披露。右翼、一塁の守備や、走塁練習もこなした。大谷翔平(エンゼルス)に続く二刀流プレーヤーとして、その第一歩を踏み出した。

 二刀流で活躍するため、打者・上原が本格的にスタートを切った。挑戦を表明した14日は投手の練習をメインでこなし、午後にティー打撃と屋内フリーで“ならし運転”を行う程度だった。この日は一転、投手の練習を行わず、最初から野手の全体練習に加わり、全てのメニューを消化した。
 「動きが分からないので、新しいチームに来て初めて練習参加したみたい。新鮮な気持ちで気を張っていたので、いつもより疲れた。でも何とか、やっていけたかな」
 フリー打撃では圧巻のパワーを見せつけた。今キャンプ初めての屋外フリーでいきなり3本の柵越えを放ち、安打性の当たりも連発。それでも「最初だったので、すんごい気持ち良く打たせてもらった。まだ投手の球を見ていないので、それまでにもっと打球をコントロールできるようにならないと」と高みを見据えた。
 やらなければいけないことは、打撃だけではない。シートノックでは右翼を守り、ケース打撃では一塁の守備に加えて走塁にも取り組んだ。「思った以上に細かい部分があった。外野をやるにしても簡単じゃない」と苦労しつつも、「いつもと視界が違うので、野手から見たピッチャーが、こういう感じで映っているのかなとか、新しい発見や気づきはありました」と充実感をにじませた。
 二刀流に挑戦する決断は、容易ではなかった。今季中に栗山前監督から背中を押されていたが、踏ん切りがつかなかった。今キャンプ中に稲葉GMから正式な打診を受けても、2日間悩んだ。前指揮官にも相談し、「覚悟が全てだ」と再び後押しされ、「試合に出られるならどんな形でもいい」と腹を決めた。
 投打を両方やるからこそ、分かることがある。投球時に体が前に突っ込みすぎることが、投手・上原の「悪いクセ」だったが、「打撃も一緒で、前にボールを迎えにいくと、ボールも来るので思ったより差されちゃう。思ったより後ろで待って、距離を取って。そこだけずっと考えてバッティング練習はしていた」。投手での6年間の経験を、打者として生かそうと試みている。
 きょう16日で沖縄・国頭の秋季キャンプは打ち上げ。今後は鎌ケ谷で行われる若手中心の秋季練習に参加し、地道に二刀流への階段を上っていく。誰もが認めるポテンシャルを持った27歳が、不退転の覚悟で夢を追う。

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