ファイターズ
《ハム番24時》3月28日
何年たっても、緊張はするものらしい。シーズン開幕を翌日に控えた練習中、松本剛が近くにいた中島、万波と交わしていた会話が聞こえてきた。「開幕戦は足が震える」。いつも冷静で落ち着いているイメージだからか、意外だった。
練習後、そのことについて本人に尋ねてみた。「1打席目は足、震えるっすよ。すごく(表現が)難しいけれど、いい震え。これを味わえているの幸せだなって。ありがたいじゃないですか。人間そんな緊張する場面ないじゃないですか」
記者が「確かに」とうなずくと、松本剛はこう続けた。「そういうのも必要じゃないですか。僕は選手会長やっていてもそう思う。緊張するけど、人生でなかなか経験できないなと思って話している。あしたも、僕しかその緊張は味わえないですから」。その心がけがすてきだなと思った。
29日の開幕戦では、3万人近い観客の視線を集めることになるだろう。カラオケで歌うだけで、足が震えそうになる自分はちっぽけだなと実感した。