ファイターズ
2023/12/26 17:00

F吉田輝星の素顔(2019~2023)~担当記者が振り返る~㊥ 毎晩の「夢の更新」とは

2019年6月12日の交流戦・広島戦、プロ初登板でお立ち台に立ち、ポリーから祝福を受ける吉田

多くの人々を魅了した5年間 惜別緊急企画で回顧

  今季まで日本ハムに在籍した吉田輝星投手(22)が来季からオリックスのユニホームを着る。明るく、少しやんちゃで、野球にはとことん真面目。〝人たらし〟な性格はチームメート、スタッフ、ファン、報道陣、誰からも愛された。入団1年目から「輝星担当」を務め、5年間にわたって取材を続けてきた記者が未公開エピソードを交えながら、素顔を振り返る。3回連載の㊥は、毎晩行う「夢の更新」ルーティンに迫る。

自身のルーティンを告白 記者にも進言

 ある日、娘を溺愛している記者に教えてくれた。「僕は毎日、野球の成功を夢見ながら寝ています。寝る前にちゃんと、どうやって成功するかイメージする。昔から、結構やっているんですよ。『夢の更新、目標の更新』。子どもにおすすめですよ」。布団の中で目を閉じ、頭の中で、きょう考えられる最高の自分を思い描くという。

信じる者は夢をかなえる 高校時代も続けた日課

 高校時代には、大きな成功体験につながった。「明桜高校に負けた(2年の)秋が終わって、冬の毎日(過酷な練習で)ゲロ吐いているような期間、寝る前に、バーンって投げて、バッターが空振りしている映像を頭の中に浮かべて、最後に(自分が打者になって)ホームランを打ってから寝ていました。僕の中のイメージでは、こまちスタジアムでの秋田大会決勝戦だったんですけど、ホームランは甲子園でしたね(笑)」。あの感動の夏は、一人の少年が想像したサクセスストーリーから始まっていた。

2018年夏の甲子園、金足農×鹿児島実。プレーボールがかかる前、野手に向けて腕を上げるポーズをする金足農の吉田

 

研ぎ澄ました感覚 常に理想を追い求めた

 右腕のイメージは、細部まで具体的だ。「感覚があるじゃないですか。ここで(ボールを)放したら、ここに行くっていう。大人になったら、見ないでも字が書けるような感覚で、目をつぶっていても、ピッチングフォームのここの視界にこう腕が出てきて、ここで放してっていうのは染みついているもの。そういう細かいところから、どの軌道でキャッチャーにバンって決まるかまでイメージする。当時、右バッターのアウトコースと、左のインコースとアウトコースは両方、見逃しが取れていたので、どこでミノサン(見逃し三振)取ろうかなって想像していました」と懐かしそうに振り返った。

2019年6月12日の交流戦・広島戦でプロ第一球を投じる吉田

 

自身の状態を計るロッテ・山口との〝対戦〟

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