■Ｊ１第３１節　札幌２―１横浜ＦＣ（２８日、札幌ドーム）

―試合を振り返って
　まずはようやく勝利できたことを非常にうれしく思っている。本来であるならば、今日のゲームよりも勝利してもおかしくないゲームは直近の４試合でもあったと思う。例えば湘南戦、あるいは柏戦であったり名古屋戦であったり。前節の横浜Ｍ戦も相手に２点目３点目を取られるまでは我々は非常にいい戦いを見せていた。ただ、サッカーという競技は非常に難しい厳しい競技で、ベターな戦いを見せたチームが勝利できるとは限らないのが我々の厳しい世界だ。そういう意味では、今日のゲームですばらしい戦いを見せた中でようやく勝利できたことは非常に我々にとって前向きな結果であると思うし、ようやく残留を決められたことも我々にとって非常にポジティブなことだという風に思っている。
　
―駒井が貴重な先制点を挙げた
　今日は駒井がワントップをやることに対して皆さん驚かれたんじゃないかと思う。駒井がトップで右のシャドーに浅野、左が青木と、この組み合わせで今日のスタートを切るにあたって、試合前は「この形でやるの？」という風に思った方はだいぶ多かったのではないかと思う。ただ実際にふたを開けてみれば、駒井がゴールシーンだけではなくて、それ以外のプレーも含めてすばらしい活躍をしたと思う。勝利したし、我々もいい戦いができたと思う。得点以外のシーンでも得点になってもおかしくないシーンは何度もあったと思う。

　ただ横浜ＦＣもすばらしい準備をしてこのゲームに臨んできたと思うし、（横浜ＦＣ監督の）四方田さんのこれまでの指導がしっかりチームに反映されているなという風に思ったし、得点になってもおかしくないシーンがいくつもあったのではないかと思う。

多くの選手が残っていたら、優勝争いに絡む戦いになっていた

　たらればの話になるが、例えば今日のゲーム、あるいは今シーズン、鈴木武蔵やアンデルソン・ロペス、チャナティップ、進藤、高嶺、金子拓郎、そういった選手たちがまだチームに残って戦っていたら、今日のゲームは優勝争いに絡むような、そういった戦いになっていたかもしれない。このチームを私は６シーズン引き受けているが、なかなか積み上げができない苦しさがあるのは事実だ。より条件の良いチームに移籍していくのはサッカーの世界の常ではあるが、その辺りに仕事としての難しさを感じる。

自分の健康を維持するのが大変だなと率直に思う

　ようやく今シーズンの残留が決まった中で、来年我々はまたＪ１で戦うことができるが、その間にまた選手が動くシーズンがある。ルーカス、田中、そうした選手たちがいなくなるかもしれないような状況の中で、また大学生が来て育てていく中で優勝争いをする、ＡＣＬを目指す戦いが現実的なのかどうかは自分自身非常に難しさを感じている。Ｊ１で６シーズン札幌として戦ってきた中で、毎年毎年つくり直していくことの難しさを感じながら、私自身も自分の健康を維持するのがなかなか大変だなと今は率直にそういう思いがある。