福岡に０―０の引き分け。これでホームゲーム５試合連続無得点となり、Ｊ１残留決定とはならなかった。というか、残留など当然と思っていたが、札幌はまだ決まっていなかったの？　ＡＣＬなんて言ってたから残留など頭になかった。
　福岡は数年前の札幌を見ているようだった。現実的な負けないサッカーを遂行して勝ち点を稼ぐ。Ｊ１に居続けるためには、どのチームも通る道だ。札幌はそこからの脱却を図り、攻撃サッカーにかじを切った。
　だからこそ福岡には質の違いを見せつけてほしかったのだが…。ボールは持てるが、１トップのＦＷジェイになかなかくさびのパスが入らず、特に前半は攻撃が連動しなかった。
　それでも、ＦＷ小柏が裏に抜け出してＧＫと１対１になった決定機を沈めていれば、状況は変わっていたかもしれない。毎度のことだが、少ないチャンスに決めきる力がまだまだ足りない。ジェイが久々に先発したが、とても合格点を与えられるパフォーマンスではなかった。
　あの出来だったら小柏をトップにして、前線からプレスを強めた戦いをした方が良かった。ＭＦルーカスのけが等もあって、並びの選択肢が狭まったのだろう。
　残り５試合。まだＪ１残留は確定していないが、指揮官は「未来に向けての戦い」を示唆した。次節の相手である１６位の湘南は、残留争いから抜け出そうと必死に向かってくる。未来に向けた戦いもいいが、メンタルを緩めることは許されない。（本紙評論家）