プロゴルフ
2023/07/09 19:00

道産子・小祝さくらが逃げ切りで初代女王【女子ゴルフ・ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ】

道内初の優勝トロフィーを手に笑顔を見せる小祝さくら(撮影・大石祐希)

■ミネベアミツミレディス北海道新聞カップ最終日
▽決勝ラウンド最終日(7月9日、札幌・真駒内カントリークラブ空沼コース、6611ヤード、パー72)

道内トーナメント26度目の挑戦で初の地元V

 北広島市出身の小祝さくら(25、ニトリ)が悲願の地元初Vで初代女王に輝いた。2位に2差の単独首位で出ると1つスコアを伸ばし通算12アンダーで23年シーズン初勝利。アマチュア時代を含め北海道内のプロトーナメント26度目の挑戦で、初めて優勝トロフィーを手にした。北海道勢の地元トーナメント優勝は22年の菊地絵理香(34、ミネベアミツミ、苫小牧市出身)に続き3人目。

「すごく長く感じましたし、嬉しく思う」

 日に日にふくれあがったギャラリーは2000人超え。〝ホーム〟の大声援を受け、小祝が逃げ切った。最終18番ホール、約1メートルのウイニングパットを決めキャディとハイタッチ。「あまり実感が湧かないけど、やっと地元優勝できてすごく長く感じましたし、嬉しく思います。初めての地元優勝だったので、いつもと全然違ってプレッシャーを感じながらのプレーでした。それでもいいショットを打てたりして楽しくプレーできました」。4日間同一メンバーでプレーした道産子トリオが最後まで好ゲームを繰り広げた。

優勝を決定づけた17番のバーディーパット

 終盤の猛追を振り切った。序盤で2つ伸ばし13アンダー、2位以下に大差をつけた。ところが9番と14番でボギーを叩き、11アンダーに後退。ここで「キャディさんにも、ここは集中しないとダメと言われて。このままボギーボギーとなってしまうとまずいので、集中力MAXで打っていけた。逆にどれだけ集中力なくプレーしていたんだろう…」。後半一気にスコアを延ばしてきた菊地に、15番終了時点で2差まで迫られたが、最後は17番パー3で小祝が6メートルのバーディーパットを沈め勝負を決めた。

ついにツアー10勝目王手

 地元戦未勝利の壁を越えた。プロデビュー後、道内大会は17試合皆勤賞。20年と21年はコロナ禍で帰国後の隔離期間などを考慮して、権利を持っていた全英女子オープンを辞退し所属先のニトリレディスを優先したこともある。その20年のニトリレディスでは無観客の中、笹生優花(23)と最終日激戦を繰り広げたが無念の2位。ついに目標の一つである故郷での優勝を成し遂げ、北海道勢3人目となるツアー10勝に王手をかけた。

拠点を東京に移し一人暮らし開始

 23年1月から拠点を千葉から東京・目黒に移し一人暮らしを始めた。「一人暮らしはすごい楽しいです。自分の動きたいように動けたりいろいろ一人でやっちゃうタイプなので、自分で考えながらやることが勉強にもなります。もう年齢も25になったので自立というかいろいろと勉強中です」。今回、道内の試合では初めて札幌のホテルから〝通勤〟。毎晩、スープカレーや北海道の海鮮など地元グルメでパワーをチャージした。

「(ペブルビーチは)またいつかチャレンジしてみたい」

 今週は全米女子オープンが開催。国内ランキング上位者が不在だった。小祝も当初は2年連続の出場を目指していたが、出場条件を満たせなかった。「前半戦は全米女子出場を目指していたけど3位ぐらい足りなくて。そこからは北海道の試合に切り替えた。本当は(全米女子の会場の)ペブルビーチに行ってみたかったけど、すぐに切り替えられました。またいつかチャレンジしてみたい」。海外挑戦もモチベーションにさらにゴルフを磨いていく。

北海道開催残り3大会も盛り上げる

 シーズン開始前に設定した目標は年間複数回優勝。道内シリーズ第2戦は8月4日に小祝の地元・北広島で行われる北海道meijiカップ(札幌国際カントリークラブ島松コース)だ。アマチュア時代の2013年に初めてプロと同じ土俵で戦い、2017年にプロデビューを果たした思い入れのある大会。「スポンサーもしてくださっている大会ですし好きなコース。チョコもたくさん食べられるので楽しみです。今週と変わらず声援をいただけるので頑張ります」。23年の道内開催は全部で4試合。あと3度、小祝が北海道を盛りあげる。
 

地元の応援団とともに満面の笑みを浮かべる小祝さくら(前列左から3人目)

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