プロゴルフ
2023/07/02 20:30

道産子・片岡が千歳で今季最高2位タイでフィニッシュ 地元初Vは4週間後の日本プロへ【男子ゴルフ】セガサミーカップ最終日

2位タイでフィニッシュした片岡(右)。表彰式では3日目18番のイーグル賞100万円を獲得(※達成者3人で均等割)(撮影・西川薫)

■長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップゴルフトーナメント
▽決勝ラウンド最終日(7月2日、ザ・ノースカントリーゴルフクラブ、7178ヤード、パー72)

地元応援の後押しで2度首位に並ぶも最後は3打及ばず

 首位と3打差で出た江別市出身の片岡尚之(25、CS technologies)は五つスコアを伸ばし、通算20アンダーでホールアウトした。2度首位に追い付いたものの終盤に失速し、優勝したJ・クルーガー(37)に3打及ばず今季最高の2位タイでフィニッシュ。2021年以来のツアー2勝目と地元初優勝は今月27日からの国内メジャー、日本プロ選手権(恵庭カントリー俱楽部)に持ち越しとなった。

 4打差で迎えた最終18番パー5。第1打をフェアウエー左のラフに入れたが、残り110ヤードの第3打をピン側1メートルに付け、バーディー締め。スタートでは片岡の祖母が横断幕を持ってお見送り。さらに両親や友人と多くのギャラリーが駆けつけ、ひときわ多くの声援で片岡のプレーを後押しした。「本当にすごい心強かったですし、そのおかげで今日はすごい頑張れた」。優勝には届かなかったが、感謝の思いを込め、一打一打、最後まで戦い抜いた。

表彰式に向かう途中で、ボランティアからハイタッチで迎えられる片岡
 

勝負は〝サンデーバックナイン〟で決着

 終盤まで一歩も引かなかった。スタートホールの1番。残り約130ヤードの第2打をフェアウエー右のラフからピンに1メートル。いきなりバーディー発進した。さらに6番までに4バーディー、ノーボギーの猛ラッシュで首位に並んだ。9番でクルーガーがバーディーを奪って1打のビハインド。勝負の行方は〝サンデーバックナイン〟に突入した。

 10番で再びバーディーで追いついたが、そこからは我慢の展開。パーオンするも、バーディーパットが入らない。首位に食らいついていったが、15番でこの日初のボギーを叩くと、逆にクルーガーは13番、15番でスコアを伸ばし、片岡との差は残り3ホールで3差に。「ちょっともう厳しいなと。その辺でちょっと楽に勝たせてしまいました」と、首位の背中が遠のいていった。

谷将貴ツアーコーチ、東佳人トレーナーら〝チーム片岡〟が大集合

 地元初優勝へ〝チーム片岡〟が大集合した。スタート前の練習場に、昨季終盤から指導を受ける谷将貴ツアープロコーチ(50)の姿があった。この日の早朝、東京から空路で駆けつけた。永久シードを持つ片山晋呉(50)を始め、多くのトッププロの指導経験がある名コーチ。スイング改造はまだ途中だが、優勝争いをする片岡のショットを見つめ「もっとかかると思っていた。ここ数年、自分が見てきて彼が一番変わった。彼は天才ですからね」と目を細める。

 27日にぎっくり腰を発症した片岡を、毎日ケアをしたのが、一昨年から専属契約する東佳人トレーナー(42)。専門は鍼灸(しんきゅう)で、2016年に夏の甲子園で優勝した、栃木・作新学院のチームトレーナーも務めた〝ゴッドハンド〟。栄養学にも詳しく、片岡が開幕から5週連続予選落ちの後、本格的にサプリの摂取を指導した。「普段、外食がほとんでですからね」と、肉体改造にも一緒に取り組んできた。

早朝便で片岡(右)の元に駆けつけた谷コーチ。スタート前の練習場でスイングをチェック
 

公式ファンクラブも準備中

 21年のツアー初優勝時、最終日に同じ組でラウンドした宮本勝昌(50)が「ゴルフ界一のイケメン」と話したことで一躍有名になった。2年たったが甘いマスクは健在で、表彰式終了後は多くの女性ファンが写真撮影やサインをしてもらおうと列をつくった。さらに現在、国内男子ゴルフ界では珍しい公式ファンクラブの準備も進んでいる。
 

日本プロ選手権での地元初Vへ早くも翌3日に恵庭で練習ラウンド

 あとは結果を出すだけだ。次の舞台は再び北海道。激戦の余韻が残る翌3日には、日本プロ選手権の会場である恵庭カントリー俱楽部で練習ラウンドを予定している。「次も北海道開催で、応援してくださる方も多いと思うので、次こそは優勝を目指して調整していきたい」。次回の最終日をホールアウトした時、今度こそリーダーボードの一番上に名前を刻んでみせる。

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