ファイターズ
2023/05/18 19:55

中西さん死去 侍ジャパン栗山監督、稲葉GM、新庄監督ら日本ハム関係者も悼む

試合前、中西太さんを悼み黙とうする新庄監督ら日本ハムナイン(撮影・桜田史宏)

初代日本ハム監督 若松勉らも育てた怪童

 プロ野球西鉄(現西武)の強打者として黄金期を支え、初代日本ハムの監督(1974、75年)を務めるなど指導者としても数多くの選手を育てた中西太(なかにし・ふとし)さんが11日に東京都内の自宅で心不全のため死去していたことが18日、分かった。高松市出身。90歳だった。

 甲子園大会にも出場した香川・高松一高時代から豪打で「怪童」と呼ばれ、1952年に西鉄入りして新人王を獲得。稲尾和久、豊田泰光らと西鉄黄金期を築き、56年から3年連続の日本一を支えた。無類の飛距離で人気を集め、53年に36本塁打、86打点の2冠。本塁打王は4年連続を含む5度、首位打者2度、打点王3度獲得した。

 62年に監督兼任となり、63年にリーグ優勝を果たすなど、現役引退する69年まで西鉄で指揮を執った。日本ハム、阪神でも監督を務め、近鉄などでコーチを歴任。元ヤクルト監督で留萌市出身の若松勉らを一流打者に育てた。99年に野球殿堂入りした。

 中西さんとゆかりのあった日本ハム関係者も追悼の意を表した。


■ヤクルト時代にコーチと選手の間柄だった侍ジャパンの栗山監督

「謹んでご冥福をお祈りします。中西さんはヤクルトでの現役時代のコーチで三原脩さんも含めて、私の野球人としてのすべてのベースをつくっていただきました。すごく愛情深いコーチングは鮮明に記憶に残っています。ティー打撃の練習でボールを上げてくれたのですが、どんどんこちらに近づいてきてバットに当たってしまいそうな距離にまで迫ってくる。そこまで熱意を持って伝説の一流打者が接してくれたことに、感動したことは忘れません。そして誰にも分け隔てなく接してくれました。私が指導者になる上でも、その姿に大きく影響を受けました。この(WBCでの)世界一も、すべて中西さんのおかげです。本当に感謝しています」

■ヤクルトに在籍していた現役時代に打撃指導を受けた日本ハム稲葉GM

「よくティーも投げていただいた。バッティングでも投げていただいた。神宮の室内でよく教えていただいた。ツイスト打法と言われる打ち方。シンプルに分かりやすく情熱のある方。親身になって教えていただいた。よく仰っていたのは『このバッティングを受け継いで伝えていくのはおまえだぞ』と。選手にはいろいろ伝えています」

日本ハムの新庄監督

「いろんな球団の方などに話を聞くと、中西さんの教えっていうのは、ものすごく分かりやすいし、ティーでも中西さんが放っていたら、気づいたら3箱、4箱打ってしまうくらい(気持ちを)乗せる能力がすごいっていう。ちょっと頭にインプットして、たまに使っていますよ。あそこ(クラブハウス)に飾ってありますよ。スーパースターでしたね」

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