ファイターズ
2023/05/10 00:10

松本剛欠場の打線沈黙 伊藤見殺しで新庄監督「点を取ってあげたかった」

三回表終了後、森本コーチ(右)と話す新庄監督(撮影・桜田史宏)

■パ・リーグ6回戦 日本ハム0-1ソフトバンク(5月9日、熊本・熊本・リブワーク藤崎台)

今季3度目の完封負け 打線はアルカンタラの1安打のみで13三振

 リーダーを欠いた打線は機能しなかった。日本ハムは9日、熊本でソフトバンクと対戦し、今季3度目の零封負けを喫した。打率.307をマークしている松本剛外野手(29)が両アキレス腱(けん)に不安を抱え、欠場。中軸を含めて組み替えを余儀なくされた打線は、大関友久投手(25)に手も足も出ず、三塁すら踏めなかった。

 受難は続く。主力の故障が相次ぐ中、頼みの松本剛がスタメンから消えた。試合前に症状を確認した新庄監督は「アキレス腱の状態がおかしいということで、無理させられない」と判断。7日の楽天戦(エスコン)で同点弾を放っていたマルティネスを初めて3番に抜てきした。

 しかし、安打はアルカンタラの左前打のみ。9回で13個の三振を奪われた。力投した先発の伊藤を援護できず「伊藤くんは良かったね。前回といい、きょうといい。取ってあげたかったですね、点を」と嘆いた。

サヨナラの場面で敗因は 上川畑の失策ではなく 周東への四球

 エース級の投げ合いで、競った展開はある程度、想定内だった。勝負の分かれ目は九回1死二塁の守備。二遊間のイレギュラーしたゴロを上川畑が好捕。送球姿勢に移ろうとしたとき、グラブからボールがこぼれ、サヨナラの走者が生還した。

 ただ、指揮官が敗因に挙げたのは失策ではなかった。「地方球場ならではの負け方。難しい打球で…攻められないし、待てないし、仕方ないかな」とかばい、断言した。「四球ですよ。オレの大嫌いな」。九回1死からロドリゲスが周東に四球を与え、傷口は広がった。

 3カード連続で勝ち越し、光明が見えてきたところで痛い黒星となったが、下を向くことはない。けが人が多い現状も悲観せず、昇格してきた選手に向けて「チャンスをものにできるか、できないかは本人次第なので。ものにしてもらわないと、プロ野球選手にはなれないということですね」とハッパを掛けた。苦境に陥っている今だからこそ、底力が試されている。

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