ファイターズ
2023/05/09 23:35

伊藤大海 長文メッセージくれたソフト近藤斬りで7回無失点の粘投

七回1死、中村晃から三振を奪い吠える伊藤(撮影・桜田史宏)

■パ・リーグ6回戦 日本ハム0-1ソフトバンク(5月9日、熊本・熊本・リブワーク藤崎台)

前回対戦で勝ち越し弾浴びた兄貴分を1安打に抑え 気迫のピッチング披露

 日本ハム・伊藤大海投手(25)が9日、ソフトバンク戦(リブワーク藤崎台球場)に先発し、7安打を浴びながら7回無失点と粘投。前回対戦で勝ち越し弾を浴びた元チームメートの近藤健介外野手(29)を単打一本に封じるなど、再三のピンチを凌ぎ、気迫のこもったピッチングを見せた。

 〝兄貴分〟と慕う近藤とこの日4度目の対戦は、0-0の七回2死一塁の場面で回ってきた。第1打席は右前打を許したが、第2打席は遊ゴロ、第3打席は二塁へのゴロ(記録は二失)に打ち取っていた。

七回2死一塁の場面では144キロ直球で空振り三振斬り 試合後に「ナイスピー!」

 2球で追い込み、4球目の144キロ直球でバットに空を切らせると、右腕で豪快にガッツポーズ。「前回もやられていたので気持ちを入れて投げました。まあ、対策とかなかったですね。気持ちで負けてなかったかなと思います」。試合後、球場を出る際には、近藤から「ナイスピー!」と声を掛けられ、笑みがこぼれた。

 勝てなかった時、手を差し伸べてくれていたのが近藤だった。今季初勝利を挙げた2日の西武戦(ベルーナドーム)後、伊藤は一通のメッセージを送った。「石川亮さんからも連絡が来ましたし、近藤さんも気に掛けてくれていたので僕から送りました」。

WBC後にシーズン開幕がすると 「大丈夫か」と状態を心配する長文メッセージが届く

 昨季まで日本ハムの主力を担った4学年上の先輩とは、プロ1年目に東京五輪で日本代表として一緒にプレーしてから急接近。日頃から野手目線のアドバイスをもらっていた。ソフトバンク移籍後も、良い関係を継続。シーズン開幕後には、「大丈夫か」と状態を心配する長文のメッセージが届いていた。

 道産子右腕にとって、初見参となった火の国・熊本。18.44メートル先に立つ近藤との真剣勝負を楽しみ、七回までスコアボードに「0」を並べた。「ゼロで終われたというのはまた気持ち的にも違いますし、次につながるかなと思います。また、好きな場所が増えたかなと思います」。白星は付かなかったが、今季最多119球の熱投は大切な思い出として伊藤の心に刻まれた。


◆伊藤について建山投手コーチ
「完璧でしょ。白黒つくまでいこうかなという思いはあったけど、七回に出し切った感じがあったので、代えました。本当に粘って投げる姿とか、4月の不調がウソのようにうまく立て直してくれた」

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