Vリーグ
2023/04/24 12:00

【ヴォレアスV1昇格の歩み】上 メンバー大幅変更も、スタッフ含め着実な補強実る

 2016年に池田憲士郎社長(36)ら3人の選手から始まったヴォレアス北海道が、ついにV1昇格を果たした。悲願を成就させたポイントはどこにあったのか。今季の戦いを元に2回に渡り振り返る。

予想以上に高かったV1の壁

 今季は大きな落胆からの再スタートとなった。V1の壁は予想以上に高かった。VチャレンジリーグⅡ参入から3年目の20年に入れ替え戦進出を決めたが、コロナ禍による中止となり、翌21年は大分三好の前に敗退。22年はVC長野と2戦ともフルセットの末の1勝1敗と激闘を繰り広げたが、得点率の差で昇格を果たせなかった。そして、チームを支えていた越川優(38)やセッター浜田翔太(32、ドイツ・FCシュットルフ09)、リベロ渡辺俊介(35、ルーマニア・ブカレスト)らが退団。

S山岸、L外崎、MBマキネン、MB樫村と補強

 抜けた穴を補うために、入れ替え戦で敗れたVC長野からセッター山岸隼(23)、三重からリベロ外崎航平(25)を加えた。さらに、V1との大きな差となっていた「高さ」を補強。200センチのアウトサイドヒッターであるペートゥ・マキネン(27)、ミドルブロッカーにV1のFC東京にも所属していた195センチの井上仁(31)をトライアウトで、サントリーから196センチを誇る樫村大仁(24)をレンタル移籍で獲得した。

 14人と他チームと比べて少ないチーム編成となったが、降旗雄平GM(38)は「個人スタッフの関係もあったり、あまり大所帯にしたくないのがエド(クライン監督)の意向」と、チームを支えるスタッフ体制もしっかり構築することを重要視。V1昇格を決めた際、エド・クライン監督(41)は「コーチングスタッフも、メディカルスタッフも、マネジメントスタッフも、組織全体としての結果」と胸を張った。

練習からメンバー固定せず、全体のレベルアップ図る

 順調な補強を成功させたが、6年目の指揮となったクライン監督はチーム構築に苦労すると見ていた。「スタートメンバーが分からないところもあって、本当に見えない部分が多かった」と振り返る。そのため、練習の中でもメンバーを固定することなく、チーム全体のレベルアップを図った。シーズン開幕後は指揮官の思惑通り、試合が進むごとにチームの安定感は増していった。

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