Vリーグ
2022/04/10 20:30

ヴォレアス無念 V1の夢は来季へ-。入れ替え戦1勝1敗も2年連続昇格逃す

現役ラストゲームとなった越川は試合終了後、涙ぐんだ顔を覆う(撮影・宮永春希)

■V・チャレンジマッチ1、2部入れ替え戦 最終日(10日、神奈川・小田原アリーナ)

越川は14得点で現役に幕 試合後仲間から胴上げ

 今季のV2男子を制したヴォレアス北海道が10日、V1で10位のVC長野との入れ替え戦第2戦に臨み、フルセットの末に2―3で敗れ、通算1勝1敗。ところが、得点率で相手を上回ることができず、2年連続でV1昇格を逃した。この試合が現役ラストゲームとなったアウトサイドヒッター(OH)越川優(37)は14得点。試合後には仲間から胴上げをされ、28年間の競技生活に幕を下ろした。

 V1の壁は高くて、分厚かった。第5セットのマッチポイント。相手のスパイクが自陣コートに決まると、選手は皆、コートに崩れ落ち、人目もはばからずに号泣した。越川もユニホームで顔を覆い、目を真っ赤に腫らし、仲間と抱き合った。「残念の一言。V1チームと、ずっと戦っているチームの意地を見せられた」と言葉を絞り出した。

 33―31で始まった9日の第1戦に続き、この日も第1セットから意地と意地、執念と執念がコート上でぶつかりあった。互いに主導権を握られないまま、試合は進行した。息をのむような熱戦が続いたが、8度目のセットポイントの末、ヴォレアスは37―35でようやく第1セットを奪った。

 そしてセットカウント1―1から第3セットを奪い、昇格へリーチをかけたが、あと1セットが遠かった。第4セットを大差で失い、2日間の合計得点でVC長野が10点リード。これで第5セットを取った方がV1というシンプルな構図になった。しかし、その第5セット。序盤の劣勢から一時は同点に追い付いたが、最後まで勝ち越すことはできなかった。

主将・佐々木「負けはしましたが、いいチームになった」

 2年連続で涙をのんだが、間違いなく強く、たくましくなった。昨季は、第2戦途中にV2残留が決まったが、今回は2日続けてフルセットまで粘った。今季、主将に就任したOH佐々木博秋(27)は「フルセットは覚悟していた。4、5セット目はVC長野の方が力があった。でも、負けはしましたが、いいチームになった」と胸を張った。

 越川は現役最後の試合でスパイク12本、代名詞のジャンプサーブ2本を決め、最後まで〝らしさ〟を見せた。試合後、背番号通りに7度、仲間の手で宙に舞った。「ヴォレアスに来て良かったと思うし、ここが最後で良かった」。今季はコーチも兼任。今後の去就に関しては後日、自身の口であらためて語る予定だ。

 エド・クライン監督(40)は、来季も続投の意向。関係者によると、エースの張は複数年契約で来季も残留の見込みだ。指揮官は「張みたいな選手があと1人いれば」と、すでに来季のビジョンを思い描いている。リベロの渡辺俊介(33)は相手との差について、「僕はないと思う。単純に上(V1)でやる気持ちの方が強くなった」と、リベンジに燃えている。悔しさを原動力に来季、北の狼がまたこの舞台に帰ってくる。

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