高校野球
2023/03/24 20:00

クラークのエース新岡「自分が抑えれば勝てる」 甲子園初勝利へ、いざ沖縄尚学戦

練習開始前の円陣で声出しする新岡(中央)新岡(撮影・桜田史宏)

紅白戦で3回1失点&2発

 2年連続で選抜甲子園出場のクラークは24日、翌日の沖縄尚学との初戦(2回戦)に向け、大阪府内の豊中ローズ球場で紅白戦などを行った。先発が予想されるエース右腕・新岡歩輝投手(3年)が最後の調整登板を行い、3回を投げ4安打1失点。打っては3番で2本塁打4打点。沖縄尚学戦でも二刀流の活躍で、春夏通算3度目の挑戦で甲子園初勝利をつかみ取る。

「自分が抑えれば勝てる」 

大黒柱の準備は万端だ。初出場の2022年は2年生遊撃手として出場した新岡が、いよいよエースナンバーを背負って初マウンドに上がる。「調子も上がってきて、明日は100%の力でプレーできるように。去年の山中さん、辻田さんから『甲子園のマウンドは投げやすい』って聞いている。自分が抑えれば勝てるので、相手を見ながら0点で抑えていく強い思いをもって投球していきたい」と意気込んだ。

 本番前最後の実戦となった5イニング限定の紅白戦。先発した新岡は一回の先頭打者に二塁打を許して1点を失ったが、後続を抑えて最少失点で切り抜けた。「沖縄尚学は全体的に初球のストライクゾーンをガンガン振ってくるイメージ。初球の入り方はまっすぐが甘くいかないように気を付けて投げていきたい」と、初回を乗り切りチームに流れを引き寄せる。

千手観音投法を駆使

 22年の秋季全道大会では、4試合全て完投勝利。スリークオーターを軸に、サイド、アンダーと腕の位置や投球モーションを微妙にずらして打者を幻惑する〝千手観音投法〟を駆使し35イニングで自責点はわずか「1」、防御率0.26をマークした。

 同年11月の明治神宮大会では、初戦で大阪桐蔭打戦につかまり6回12失点。外角攻めを軸に組み立てたが歯が立たず「インコースを使っていかないと抑えられない」。冬の間はストライクゾーンを広く使う投球を意識してきた。

最後までマウンドを守り切る

 さらに一旦はサイドスローにフォームを固める決断をしたが、制球の面から断念し、原点に立ち返った。大阪入り後、投球時に体が開いてスライダーが早く曲がってしまう悪いクセが現れたが、精度は上向き。「変化球があっての自分の投球スタイル。一番はチームが勝つことだけど、完投したい」と、最後までマウンドを守り抜く覚悟だ。

 投球もさることながら、ここに来てバットが絶好調だ。本塁打は2本とも左翼フェンス後方の防球フェンスを直撃。1打席目は直球を、3打席目はカーブを捉えた。要因は、1週間前から打席の足幅を肩幅より少し狭くしたことだ。「足幅が広がっちゃうと、頭の位置がずれて、膝下の変化球を振ってしまったり、うまくミートできていなかった。スタンスを狭くして、いい感じに打てている。きょうは打てたけど、明日打たないと意味がない」。昨年は4打席無安打。1年越しのリベンジを果たす。

 青森県から、1学年上の兄・真輝さん(18)を追いかけクラークへ進学。昨春は2人で聖地を踏んだ。悔しさを乗り越え、大きく成長を遂げた弟が、兄の思いも背負い、聖地で輝く。

 

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