芸能文化
2023/03/27 11:00

ズーカラデル2年半ぶりミニアルバム「ACTA」リリース 佐藤栞里をリード曲「ラブソング」のMVに起用

札幌発のロックバンド、ズーカラデル(ビクター提供)

札幌発のロックバンド

 確かな手応えをつかんでいる―。札幌発のロックバンド、ズーカラデルが3月8日に2年半ぶりとなる4枚目のミニアルバム「ACTA」をリリースした。リードトラック「ラブソング」のMVには、モデル兼タレントの佐藤栞里(32)を起用。5月20日からは、ワンマンツアー「SPACE ACTA STATION」で全国10カ所11公演を回る。ギター&ボーカルの吉田崇展は「やれそうなこともどんどん増えている気がするので、できることはいっぱい挑戦してみたい」と意気込んだ。

昨年「RISING SUN」に出演

 2022年は充実の一年となった。コロナ禍も落ち着き始めた昨年は外での活動も多かった。3年ぶりに開催された「RISING SUN ROCK FESTIVAL」への出演も果たし、全国ツアーも完遂した。多忙を極めた昨年を、ドラムの山岸りょうは「ツアーも出来たし、フェスも何個か出させて頂いた。同時にいろんなレコーディングをして、ライブも制作も2本の柱でやっていけた」と振り返った。

コロナ禍の鍛錬で幅広がる

 コロナ禍での〝鍛錬〟が今に生きている。新型コロナがまん延し、ライブは激減。外に出られないことも多かったことから、楽曲制作やスキル向上に尽力した。そしてライブが解禁され始めると、その努力が成果となって現れた。ベースの鷲見こうたは「今までより楽しくやれている。自分たちの曲の表現力とかが上がってきたから、楽しめるようになったと感じています」と実感する。苦しかったコロナ禍をプラスに変えて、バンドとしての幅は確実に広がった。

新録曲4曲を含む全7曲収録

 そして、満を持してミニアルバム「ACTA」を制作。吉田は「音楽を研究して、楽しんで、その成果をしっかり出せた作品」と自信のある一枚となった。昨年にリリースした「ピノ」、「ダダリオ」、「都会の幽霊」に加え、新録曲4曲を含む全7曲を収録。曲順についても最後の最後まで話し合いを重ねた。山岸も「ギリギリまで2パターンあった。締め切りもちょっと越えてるぐらい」と話すなど、細部までこだわり抜いた。

ポップだがロックの部分も残した曲「ラブソング」

 リード曲の「ラブソング」はズーカラデルにとって、挑戦した一曲だ。ポップな曲調だが、オルタナティブ・ロックな部分も残している。また、チェロとヴァイオリンのストリングスが有機的に絡み合うようにアレンジした。「どこかで気を抜いてしまったらしょうもない曲になってしまいかねないような、いろいろなハードルを越えてきた」(吉田)。

ジャケット写真の佐藤栞里はDr山岸が撮影

 MVには、以前からズーカラデルのファンと公言していた佐藤栞里が出演。「忙しいから絶対無理だと思っていたけど、1%いけるかもしれない」(鷲見)と出演オファーに踏み切ると、快諾してくれたそう。鷲見は「すごく惹きつける力がある方。何か目に留まってしまう」と魅力を語った。「ラブソング」のジャケット写真は、山岸が撮影。「MV用のカメラが回っているときに、後ろから撮らせてもらった。(ジャケット写真用の)カメラを意識していない姿を撮りたかった」(山岸)。

5月から全国ツアー、千秋楽は札幌ペニーレーン

 5月から始まる全国ツアーの最後は札幌ペニーレーン24。地元を千秋楽の地と選んだ。吉田は「地元でファイナルだと美しいという話をずっとしていたけど、なかなかできなかった」と、ようやく実現にこぎつけた。「今までより進んだものができそうな予感がしている。堂々と音楽をやれたらいいなと思っています」。自信を深めるズーカラデルが、23年はさらに高く飛ぶ。


プロフィール ズーカラデル 2015年に結成。北海道出身のギター&ボーカルの吉田崇展、ベースの鷲見こうた、ドラムの山岸りょうからなる札幌発の3ピースロックバンド。18年3月から現体制となり、翌19年から東京を拠点に活動している。同年7月に初のフルアルバム「ズーカラデル」をリリースした。20年9月、ミニアルバム「がらんどう」で、ビクターエンタテインメントからメジャーデビュー。22年1月には2枚目のフルアルバムとなる「JUMP ROPE FREAKS」をリリースし、10月には「ULTIMATE SPECTRUM TIGER TOUR」を実施した。