芸能文化
2022/09/29 19:10

ズーカラデルが新曲「ダダリオ」配信 今夏「RISING SUN」出演の札幌発ロックバンド

ズーカラデルの山岸りょう(左)、吉田崇展(中央)、鷲見こうた

2015年結成 北海道出身の3ピースバンド

 札幌発のロックバンド、ズーカラデルが28日に新曲「ダダリオ」をデジタルシングルとして配信開始した。2015年結成の北海道出身者からなる3ピースバンドで、今夏は地元で3年ぶりに開催された「RISING SUN ROCK FESTIVAL(RSR)」に出演。10月からは全国10都市をまわる「ULTIMATE SPECTRUM TIGER TOUR」も始まる。北海道を代表するアーティストとなるべく、さらなる飛躍を期した。

響き合う三者三様の感性

 年々、その存在感は増している。バンド名は「ズー(ZOO=動物園)から出る」と、動物園から動物たちが飛び出していく姿をイメージしたという。ギター&ボーカルの吉田崇展が「語呂も良いし、良い名前だなと思った」と、ひらめきから名付けた。

 3人が影響を受けてきた音楽はそれぞれ違った。吉田は「BUMP OF CHICKEN、銀杏BOYZ、くるりとか、日本のバンドが好きで、ああいう曲をつくってみたいなと思って(音楽を)始めたところがあります」。ドラムを務める山岸りょうは「昔、吹奏楽部に所属していて、管楽器とかと一緒に演奏する機会が多くて、スカバンドのコピーをやってみたりとか。そこから派生しているのかな」。

 そして、ベースの鷲見こうたは「BUMP OF CHICKEN、ロードオブメジャー、GO!GO!7188とか、ジュディマリ(JUDY AND MARY)とかを聞いていた。あと、中学生のときにSlipknotとかに影響を受けた。メタルの要素にもかなり惹かれていた」と、三者三様の感性を織り交ぜながら、活動に生かしている。

 意見のぶつかり合いも少なくない。そういった時は時間をかけて話し合う。「誰か1人がずっと言っているとかではなくて、いろんなシチュエーションで3人とも結構(自分の意見を)言っている感じですね」と話すのは山岸。それぞれの意見を尊重しながらも妥協することはない。

成長求め、活動拠点を東京へ

 主に札幌で活動していたが、2019年に拠点を東京へ移した。バンド活動をしていく上で流行の最先端を感じられることを重視した。すると、成長速度は一気に上がった。18年に「RSR」の若手枠「RISING STAR」で初出演を果たすと、3年ぶりに開催された今年は「EARTH STAGE」のトップバッターを任され、晴れ渡った石狩の空の下で生き生きとした演奏を披露した。

 地元凱旋で錦を飾った吉田は「ライブを一本やったっていうよりは、その後、実家に帰ったりとか、友達と会ったりとかして、一つ、ずっとやりたかったことをできたという、楽しい思い出ですね」。そして、さらに上を目指したいという思いは強くなった。鷲見は「『SUN STAGE』に立って、いつか演奏したいという思いはずっとある」と、メインステージでの出演を熱望した。

 コロナ禍に見舞われ、ライブ活動が激減した時期もあったが、曲作りや練習に没頭。「とにかく時間があったので、ライブができない分、制作にのめり込んだ。少なからず意識とかも変わったりした。おもしろくはなかったけど、悪くはなかった時期を過ごしていた」(吉田)

新曲は雨降る晩夏の1日をイメージ

 そんなコロナ禍も乗り越えてきたズーカラデルが、今回配信する新曲が「ダダリオ」。同曲は雨が降る晩夏の1日を描いている。気鋭のイラストレーター・ヒダカナオト氏が手掛けたキャラクター「ダダリオ」の世界観に佇む作品で、歌詞から情景も浮かびやすい曲だ。作詞作曲を担当した吉田は「メロディーとかが何となく頭の中に出てきた。雨が降っているときの部屋のムードとか、そんなものに近いなと思いながら、書き進めていたりしましたね」と振り返った。

 10月19日からは「ULTIMATE SPECTRUM TIGER TOUR」が控えている。全国ツアーに向けて、吉田は「今まで(ライブで)できていなかった曲とかに日の目を見せてあげたり、そういったことをできるようなツアーにしたい」と意気込みを語った。全国10都市を回る予定で、11月18日には札幌ペニーレーン24でもライブが組まれている。

 今月上旬には、同じ事務所に所属する先輩・スピッツが主催したイベント「ロックのほそ道」にも出演。階段を上っていくスピードは増すばかりだが「(今は)楽しく音楽をできている。ただ、それを続けるのは大変だと思うので、楽しく音楽を続けられるように、今を頑張るっていうことは引き続きやっていきたい」と吉田。勢いに乗る道産子バンドから目が離せない。

■プロフィール

 ズーカラデル 2015年に結成。北海道出身のボーカル&ギター・吉田崇展、ドラム・山岸りょう、ベース・鷲見こうたからなる札幌発の3ピースバンド。19年から拠点を東京に移して活動する。17年9月にファーストミニアルバム「リブ・フォーエバー」、19年7月に初のフルアルバム「ズーカラデル」を発売。今年1月には2枚目「JUMP ROPE FREAKS」をリリースした。

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