特集
2023/03/20 20:00

日本ハム加藤貴の登場曲を歌うVOG 4月1日の札幌を皮切りに2年半ぶりのワンマンツアー

取材に応じるVOG(撮影・十島功)

京都・城陽市在住のシンガーソングライター

 満を持して、北の大地へ―。京都・城陽市在住のVOGは、日本ハムの加藤貴之投手(30)の登場曲「Try My Life」を歌うシンガーソングライターだ。昨年9月には飲食店「モグラと夕陽」をオープンさせるなど、活動は多岐にわたっている。4月1日には札幌の「Space Art Studio」でライブを開催する。

 音楽を始めたのは高校生のときだった。ラッパーの友人の誘いがあり、「遊び半分で」歌い始めた。その後、京都の大学へ進学すると少し音楽から遠ざかったが、アルバイトしていた服飾店のイベントで久しぶりにステージに立った。「やっぱり楽しくて、そこから曲を作り始めたりするようになった」。

 大学卒業後は先輩の営むダンススタジオを手伝ったりしていたが、「音楽をもっと真剣にやりたい」と25歳のときに一念発起。「30歳まで」と期限を決めて、音楽と向き合う生活を始めたが、やはり道は険しかった。「すぐに売れるわけでもなく、曲を作ってライブしても、お客さんが来なかった」と苦しい期間を振り返った。

 そうした日々を過ごしながら、期限の30歳を迎えた。自分との約束通り、最後と心に決めてアルバムを制作。すると、iTunesジャンル別チャート1位を獲得した。さらに続いてリリースした楽曲も同じくiTunesジャンル別チャート1位。まさに、崖っぷちからはい上がった。

2019年3月メジャーデビュー

 紆余曲折を経ながらも、2019年3月にメジャーデビュー。時同じくして、共通の知人を通じて、加藤貴の登場曲「Try My Life」を制作することにもなった。「僕もメジャーの舞台に上がったし、彼もその曲と一緒に、お互いガッと行ければいい」とVOGにとっても特別な一曲となった。

 しかし、翌20年。新型コロナが猛威を振るった。影響はもろに受け、ライブなどは軒並み中止となった。「リリースからツアーから全部延期になった。音楽だけではやっていけない。自分自身で力を付けていかないと」と契約していたレーベルと契約解除し、独立を決意。自身でレーベルを立ち上げ、CDやグッズなども自分で作っている。

「北海道から始めるのには意味がある」

 4月1日からは札幌を皮切りに始まる全国ワンマンツアーを予定。20年のワンマンツアーは、新型コロナの感染拡大地域だったため、11月21日の札幌のみが中止となった。「今回、北海道から始めるのには意味がある。2年半ぶりのワンマンツアーなので、自分の中でも北海道から始めないと、始められない」。

 久しぶりとなる札幌でのワンマンライブ。VOGは「あんまり札幌でライブをしたことがないから、僕のお客さんも多くいるイメージはないです。『Try My Life』1曲だけしか知らないようなお客さんでも楽しめるような感じでやりたい」と意気込んだ。

 コロナ禍を経験し、次世代への思いも強くなった。今後は歌手活動の傍らで、誰もが歌える環境づくりにも尽力する。「これから違う流行病が来るかもしれない。音楽をやっている子たちがそういうことを理由に音楽をやめる必要がないような環境を作っていきたい」。音楽の力を信じて、京都からの発信を続けていく。


■ライブ情報 4月1日(土)VOGワンマンツアー2023―ボグループに感謝を伝える旅―北海道公演
会場 札幌Space Art Studio
時間 OPEN17:30/START18:00
前売 4000円(別途1ドリンク代必要)
チケット購入リンク http://tiget.net/events/229649
(プレミアムチケット完売・一般チケット発売中)


■プロフィール VOG(ヴォグ) 1985年9月19日、福岡市生まれ。2016年にリリーした2ndアルバム『これから先もよろしくお願いします』、『ぬいぐるみのうた』が、iTunesジャンル別チャートで2作連続1位を記録。19年3月、ユニバーサルミュージックよりメジャーデビューを果たす。同年日本ハム・加藤貴の登場曲である「Try My Life」を制作。翌20年、独立し「Office Laugh Design」を立ち上げる。

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