アマ野球
2023/03/20 19:00

大谷翔平の幼なじみ・シャークス佐々木がエール「明日の試合(WBC準決勝)も、みんながワクワクするような活躍を」

高校時代の大谷(左)と写真を撮る佐々木(中央)(本人提供)

2学年先輩の日鉄室蘭シャークス・佐々木大樹捕手

 運命の一戦に向けて、室蘭の地からエールを送った。日本製鉄室蘭シャークスの佐々木大樹捕手(30)は、侍ジャパンの大谷翔平投手(28)と水沢リトル、一関シニア、花巻東高で一緒にプレーした。2021年に米大リーグMVPを獲得し、現在開催中のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本中を熱狂の渦に巻き込む大谷の姿に、佐々木は「本当にあの翔平があそこまで…。野球の神様みたいな感じ」と感嘆した。

「すごい負けず嫌い。小さい頃からそうでした」

 大谷とは幼なじみの間柄で、幼稚園の頃からの付き合いだ。「すごい負けず嫌い。小さい頃からそうでした」と振り返った。当時から運動神経は抜群で「水泳も速かったし、バドミントンもすごいうまかった。小さい頃の2学年差っていうのは、すごい体力の差があると思うけど、そういうのは全然感じさせなかった」。そして「ずっと一緒に(野球を)やっていたので」と、佐々木は大谷を花巻東高に誘った。

帰国の度に食事「監督に怒られた話ばかり」

 同高の佐々木洋監督(47)は大谷の能力を認めているからこそ、厳しく接していたそう。「僕が高校3年生で、翔平が高校1年生のときに、夏の予選で(大谷が)一塁に内野ゴロを打って、全力疾走をしていなかったんです。監督にすごい怒られていた」。スーパースター・大谷翔平の土台は、同高で培われた。コロナ禍に見舞われてから会えていないが、以前は帰国するたびに食事をし、昔話に花を咲かせていた。「監督に怒られた話とかばっかりです」と笑う。

 佐々木は大谷だけではなく、名だたる投手ともチームメートだった。花巻東高の1学年上にはブルージェイズの菊池雄星投手(31)、東海大時代は3学年上に巨人の菅野智之投手(33)がいた。大谷も含めて「考え方がすごい。トレーニング一つとっても、自分で考えながらやっている」と共通点を挙げた。

「(栄養摂取は)何分単位で何を取ると決まっている」

 大谷の〝野球IQ〟は、さらに上がり続けている。佐々木は今でも連絡を取り合っており、打撃や栄養摂取などのことをを聞くと、快く答えてくれるという。食事への意識は高く「何分単位で何を取るっていうのも決まっている」と佐々木。特に米大リーグに移籍してからは、さらに顕著になった。「摂取のタイミングも人によって違うみたいなので、自分に合ったものを探すところから始まって、それを確立できたのが、今の段階らしいです」。

 日常が戻りつつある現在、佐々木は再会できることを願っている。「メジャーに行って、いろんな知識とかも得ていると思うので、久しぶりに話を聞きたい」。21日はWBC準決勝のメキシコ戦を迎える。「明日の試合も、みんながワクワクするような活躍をしてほしい」。都市対抗、日本選手権出場を目指す佐々木にとって、幼なじみの躍動が何よりも刺激になる。


■プロフィール 佐々木大樹(ささき・だいき) 1992年4月8日生まれ、岩手県出身。花巻東高では2年時に春夏の甲子園に出場し、春は準優勝、夏は4強に進出した。その後東海大に進学し、4年時には全日本大学選手権で優勝を果たした。卒業後は室蘭シャークスに入団し、捕手として活躍する。178センチ、84キロ。右投げ右打ち。