ファイターズ
2023/03/07 20:35

ドラ1矢沢 六回にノーノー阻止打「僕が最初に打ちたいって思っていた」

六回1死、矢沢が二塁打を放つ(撮影・桜田史宏)

■オープン戦 日本ハム2ー4ロッテ(3月7日、ZOZOマリン)

三味線ならぬ二刀流の読み フォークを捉え右翼戦二塁打

 長い沈黙を、二刀流ルーキーが打ち破った。日本ハムのドラフト1位・矢沢宏太投手兼外野手(22)が7日、ロッテとのオープン戦(ZOZOマリン)に「1番・DH」で先発し、六回にチーム初安打となる右翼線への二塁打をマーク。「僕が最初に打ちたいって思っていたので(チームが無安打だと)受け身になりがちですけど、攻めていけたのが良かった」と胸を張った。

 〝3スイング目の正直〟だ。六回1死で迎えた第3打席。ロッテ3番手・小沼のフォークに1、2球目は全く対応できず、連続で空振りした。しかし、ただでは転ばない。「結構ノーチャンスなスイングをしていた」と感じた矢沢は、それを逆手に取った。「もう一回(フォークが)来るだろうな」。投手心理が分かる二刀流らしく、3球連続フォークの配球を見事に読み切った。狙い通り捉えた打球は右翼線で弾み、悠々と二塁を陥れた。

高い修正能力も武器 好調バットで開幕スタメンへアピール継続中

 毎試合、対戦する投手の映像やデータを事前に確認し、打席に立っている。「データで見て、打席で想像と実際の差を埋めています」。この日も小沼のフォークは「思っていたよりも落ちていた」と想定と違ったが、打席内で修正し結果につなげた。

 八回に代打を送られ、3打数1安打。ここまでオープン戦5試合に出場して1本塁打を含む12打数6安打2打点と、目標の開幕スタメン入りへ猛アピールを続けている。「アマチュア野球であれば、こんなにデータとか映像とかはないですし、すごく準備しやすい環境がある」と充実感をにじませた。本当の勝負は、まだ先にある。それでも、研究熱心な22歳は何かやってくれそうな〝におい〟を漂わせている。

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