ファイターズ
2021/10/09 14:53

本拠地大好き立野6回0封で4勝目 札幌D3試合で18回⅓連続無失点

球威、キレともに文句なしのピッチングで堂々の4勝目を挙げた立野。これで本拠地・札幌ドームでは3試合を投げ、18回⅓を無失点と完璧な内容。爽やかな笑顔を見せた(撮影・桜田史宏)

■日本ハム9-0ロッテ(8日、札幌ドーム)

 本拠地大好き、立野18回1/3無失点だ! 日本ハムは8日、ロッテと対戦し、9―0で圧勝した。先発した立野和明投手(23)の好投が勝利を呼んだ。球威とキレ味抜群の投球で6回を投げ、相手打線を3安打無失点、7奪三振で4勝目を挙げた。今季札幌ドームでは3試合18回1/3を投げ、無失点を継続中だ。躍動した2年目右腕を打線も強力援護。NPBタイ記録、球団では82年以来2度目の1試合4犠飛に、ロニー・ロドリゲス内野手(29)の6号ソロなどで圧倒した。

「気持ちだけでは負けない」マーティンを3打席連続K

 マウンド上の立野は、実に表情豊かだ。三振を取れば勢いよくグラブをたたき、ストライクゾーンいっぱいの際どい1球がボールと判定されれば、思い切り悔しがる。この日のハイライトは六回2死一塁。マーティンを3打席連続三振に仕留めると、右拳を大きく振り上げ、ど派手なガッツポーズを決めた。
 「気持ちだけは負けないようにと思っていた。チームの流れを変えるバッターに1本打たせないようにと、気合入っていました」
 序盤から味方の援護を受け、テンポ良くアウトを重ねた。最速は149キロながら「意図的にやっているわけではないけれど、タイミングがずれているらしい」と分析する直球を中心に組み立てた。要所でカーブを使い、プロ入り後最多の111球を投げ、6回を散発3安打無失点でまとめた。
 これで自身3連勝をマーク。天然キャラで周囲から愛される右腕は、好調の秘訣(ひけつ)を「なるべくストレスためないように、好きなものを好きな時間に、好きなだけ食べています」と豪語する。
 甘いものに目がなく、好物はチョコバナナクレープ。暇さえあれば、買いに行くほどだ。プロ入り後は、食事制限に取り組んでいたが、ストレスで体重が増加。今季の後半戦に入ってから「一周回って、好きなもの食べよう。動いたら痩せるかなって。試合でダメだったら自分のせいにすればいい」と決意した。
 登板前日7日の夜は「カップラーメンは重いので我慢しました」というものの、コンビニでクレープを購入してエネルギーをチャージ。無理しないことが、好成績につながっている。
 1年目の昨季は1軍登板なしに終わったが、いまや立派な先発ローテーション投手に成長。栗山監督も「ナイスピッチングよ。勝てばそのまま使う。そういう世界だから」と高く評価する。
 「僕の場合は下からはい上がってきた人間なので、打たれても打たれなくても腕を振るしかない。雑草魂で投げています!」。立野の明るい笑顔の裏には、秘めた強い覚悟がある。
(中田愛沙美)

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