冬季スポーツ
2023/01/20 22:00

50歳・葛西 繰り上げ出場も0.4点差で本戦逃す 21日に向けて「燃えてきました」 男子ジャンプW杯

繰り上がりで急遽出場もあと1人で予選落ちした葛西(撮影・十島功)

■W杯ジャンプ札幌大会(20日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽男子個人第14戦

 わずかに及ばなかった。渡部陸太(27、東京美装)の体調不良により、急きょコンチネンタル杯と記録会で次点に付けていた葛西紀明(50、土屋ホーム)が出場することになった。自身の持つギネス記録であるW杯出場通算569試合の更新を狙ったが、予選は108メートル、73.7点で51位。上位50人に入れず、2020年2月以来のW杯本戦はお預けとなった。

前日午後5時に繰り上げ出場を知る

 繰り上げ出場も初の経験。体と心を再び奮い立たせるには時間が足りなかった。19日の午後5時頃、歯医者に通っていたときに繰り上げを知った。W杯の出場権を逃したため、今週は気持ちのスイッチをオフにしていた。15日のSTVカップ後はジャンプを1本も飛んでいない。結果を残せなかった悔しさで体重制限も解除。「暴食していた。W杯に出るって気持ちを切り替えるのも大変。2時間ぐらい何も考えられなかった。大どんでん返しはないだろうと考えていたので、びっくりした。一瞬断ろうかなと。自分の力で取った感じでもないので」

 調整不足が露呈したが、久しぶりのW杯の雰囲気に刺激されたことも事実だ。「トップクラスがみんな来ている。桁違いのジャンプをしていた。自分がW杯で戦えないのは1本見てすぐにわかりました」と世界レベルを肌で感じ、「調子が上がればいける手応えは、ちょっとはある」と自身の伸びしろにも言及した。

「はっちゃきこいて頑張ります!」

 0.4点差に泣いたことで、再び闘争心に火が付いた。「うまく体重とか調整できれば、もうちょい伸びた。燃えてきました。終わってから悔しくなりました」。21日の個人第15戦にもエントリーされる予定。「はっちゃきこいて(必死になっての意味)頑張ります!」。今度こそ、自分超えの通算570試合目を果たす。