冬季スポーツ
2023/01/14 17:00

レジェンド葛西3季ぶりW杯出場へ試練 コンチ杯札幌3連戦初戦は2回目に進めず HTB杯ジャンプ

風に恵まれず37位に終わった葛西紀明のジャンプ(撮影・桶谷駿矢)

■HTB杯国際ジャンプ大会(14日、札幌・大倉山ジャンプ競技場=ヒルサイズ137メートル)
▽FISコンチネンタル杯男子個人第9戦

日本勢10人中9番手

 20日から札幌で行われるW杯札幌大会の開催国枠7枚の切符をかけて行われた3連戦の初戦。コンチネンタル杯2季ぶり出場のレジェンド・葛西紀明(50、土屋ホーム)は、1回目104.5メートルで2回目に進めず、ポイントを獲得することはできなかった。W杯には15日の3戦目終了時点で、対象者10人中、ポイント上位7人が選出される。初戦終了時点でのポイント保持者は7人。葛西は15日の2戦目(STV杯)で上位に入り、逆転での代表入りを目指す。試合はソンドレ・リンゲン(ノルウェー)が今季2勝目を挙げた。

 全日本スキー連盟が定める選考規定では、表彰台に乗れば一発内定していたはずのW杯。葛西の直前に風のコンディションが悪くなり、シグナルは黄色から赤へ。一度ゲートを離れて仕切り直したジャンプはK点手前に着地。ゲート位置は9日のHBC杯よりも2メートル低く設定され、助走路でのスピードが出にくい上に、ジャンプに有利な向かい風は出場44人中3番目に弱い0.55メートル。「低いゲートでは風がないと厳しい。ジャンプうんぬんではない。ここにかける思いはめちゃくちゃ強かった」。日本勢10人中9番手の46位(コンチネンタル杯37位)に終わり、2020年2月以来のW杯挑戦は、15日へ持ち越しとなった。

体重60キロまで絞り込む

 9日のHBC杯と直後の記録会で2季ぶりの出場権を獲得。昨年12月の国内開幕戦で63キロだった体重を走り込みで60キロまで絞り込んだ。大会前日の13日に精力的に飛躍練習を繰り返し、この日の1回目の前の試技はキャンセル。ぶっつけ本番で臨むレジェンド独特のルーティンはいつも通り。「助走路のスピードも出てきて調子が上がってきている」と悲観することはない。

 葛西に残されたチャンスは15日の2戦目のみだが、可能性は十分に残されている。日本勢のポイントトップは佐藤慧一(25、雪印メグミルク)の26点で、6位タイの2人が2点。数々の逆境を跳ね返してきた大ベテランは「明日はがんばる」と、最多570度目のW杯出場を目指して、勝負のスタート台に向かう。


    ◆コンチネンタル杯ポイント配分◆
 順位  点数
 1位 100点  11位 24点  21位 10点
 2位  80点  12位 22点  22位  9点
 3位  60点  13位 20点  23位  8点
 4位  50点  14位 18点  24位  7点
 5位  45点  15位 16点  25位  6位
 6位  40点  16位 15点  26位  5点
 7位  36点  17位 14点  27位  4点
 8位  32点  18位 13点  28位  3点
 9位  29点  19位 12点  29位  2点
10位  26点  20位 11点  30位  1点