ファイターズ
2023/01/20 19:00

連載「俺のバイブル!」④今川優馬外野手「BLUE GIANT」

今川はBLUEGIANTのコミックスを手に笑顔を見せる

コロナ禍に出会って心酔 「昔の自分を思い出せた」「ただ好きでやっている野球」

 ファイターズと漫画を愛する人に送る連載企画「俺のバイブル!」。選手が〝激推し作品〟を厳選し、熱く魅力を紹介していく。マニアック過ぎたら、ごめんなさい。 最終回となる第4回は、今川優馬外野手(25)が「BLUE GIANT」をチョイス。兄からもらったサックスで世界一のジャズプレーヤーを目指す主人公・宮本大の生きざまに自らを重ね、涙なしでは読めない名シーンの数々を振り返った。(一部ネタバレを含みます)

◇BLUE GIANTとの出会い

 「初めて読んだのは社会人2年目の時。コロナ禍で時間があって、たまたま読んだ。大会もなくなって、プロ入りへのアピールの場がなくなって、すごい苦しい時期にこの本と出会って、こんなくよくよ悩んでいてもダメだと野球に打ち込めた。自分を救ってくれた漫画です。入り口がジャズ、サックスなので、読む前は興味がなかったんですけど、読んでみないと分からない。いやもう、ぜひ読んでほしい。ちょいちょい楽天の話が出てくるので、(作者の)石塚さん野球好きなのかなって。いつか会いたいですね。ブルージャイアントを描いてくれて本当にありがとうございますって伝えたいです」

◇BLUE GIANTの魅力

 「漫画なのに、音が聞こえてくる。僕、ジャズ全く知らないですけど、聞こえてくる感じが、すげーって本当に魂が震える。迫力が伝わる。 何回泣いたか分からないです。一冊で4、5回泣けるシーンがある。胸が熱くなる。漫画でここまで熱くなれたのは久しぶりで、ハマっちゃいました」

◇好きな登場人物は

 「大です。何があっても自分の信念を曲げずに貫くところが魅力。いろんな登場人物が出てきて、大にいろんな意見をする場面があるんですけど、でも大は絶対に自分の信念、プレースタイルを曲げない。『もっとこうした方がいいんじゃないか』って言われても、『じゃあおまえがこれに合わせてこいよ』みたいな、そういう強い自分の軸がある。やっぱり僕も、こういう(本塁打狙いの)バッティングスタイルになって、周りからの意見とかもいろいろあると思うんですけど、自分で決めて今こういうプレースタイルをしているわけなので、ぶれずに貫き通したいですね。あとは師匠の由井もいい。由井のセリフで『オレの音は良くても感動、おまえはその上…おまえの音は人を圧倒できんだよ』が好きで、自分も感動のさらに上をいきたいなって思った。高校の音楽の先生もめっちゃ好き。雪祈はソーブルーに立つっていう目標がかなったのに…。いやー、悔しいっすね。でも、大が日本を出て海外に行くきっかけにもなったと思うので、挫折があっても乗り越える強さが大事だなって思いました」

◇好きなエピソード、シーンは

 「僕が一番印象に残っているのは、ヨーロッパ編のブルーノの『おまえに自信を持って勝てることがあるとすれば一つ…オレはおまえより、負けることを知っている』っていう言葉。僕もたくさん失敗とか挫折とかを知っているからこそ、それを乗り越えるすべも知っている。僕の武器はそこかもしれないなって思わされたシーンだった。ヨーロッパ編、良かったなー。あとは高校卒業後の進路を話す場面。大がジャズプレーヤーにって言いかけたところで、お父さんが「やれよ、とことん、おもいきりやれよ」って言うシーンもいい。僕も高校野球を引退して、野球をやめて大学は普通に勉強してって考えていた時に、親が野球やりたいんでしょって言ってくれて、野球やりたいならやりなって後押ししてくれた。それが重なりました」

◇読みながら泣いた場面は

 「閉店後のスーパーで、大が東京に行く前に家族の前で初めて演奏して、大の妹が『お兄ちゃんは帰ってこないんだ』って分かるシーンはめっちゃ泣きました。あとはヨーロッパ編で出てきた小さなフェスのやつは熱くなりましたね。あの小さな街の初めてのフェス。3人のおじさんたちがフェスを開く夢のために一生懸命に企画して動いて、いろんなアーティストを呼んだ。そこに大たちが来て、小さい規模ではあったけど、おじさんたちの夢をかなえたいって自分の演奏を全力でする姿を見せた。結局どんなことも、スポーツもそうですけど、人対人じゃないですか。だから絶対、人って一人では生きていけないなって思いますし、お互いをリスペクトし合う関係性もすごく出るシーンだったと思うので、すごい胸が熱くなりました。 お兄ちゃんがサックスを買ってあげるシーンも染みましたね。僕も弟が頑張っているのを見たら、何かしてあげたいなって思ったりもするので、ああいう兄ちゃん、本当にいいなって思います」

◇BLUE GIANTから受けた影響

 「まず、主人公の大を自分に置き換えて読んじゃった。最初、大もジャズやサックスを何も知らなくて、ただ好きで始めて、ただ吹いて練習していた。そういうところが過去の自分に重なって、俺もこんなだったなと思いながら読んでいました。昔の自分を思い出せた。ただただ、ひたすらがむしゃらにバット振っていたなって。今はいろんなものを背負って自分を苦しめる部分もあるんですけど、でもこの大を見て、ただ好きでやっている野球だから、ただひたすらに野球をするしかないなって改めて思わされた」

◇今後への期待

 「やっぱり大は世界一のジャズプレーヤーになるってずっと最初から言っているので、その道を応援して、そうなるのを期待しています。今はアメリカに行ってまた一人からスタートして、ここからどうやってまたいろんな壁を乗り越えていくのかなっていうのが楽しみ。僕もバッティングで一番になれるように、大みたいにとことん一生懸命、全力でやるしかないですね」

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