冬季スポーツ
2022/12/30 21:00

記録づくしの堀川桃香 女子5000国内最高でV「最高の1年でした」 全日本スピードスケート選手権

表彰台の真ん中に立ち笑顔を見せる堀川(撮影・桶谷駿矢)

■全日本スピードスケート選手権大会 最終日(30日、青森・YSアリーナ八戸)
▽女子5000メートル

7分1秒52「タイム見てびっくり」

 記録ラッシュで1年を締めくくった。29日の女子3000メートルで、日本ジュニア記録を更新した堀川桃香(19、富士急行、白樺学園高出)が、5000メートルでまた魅せた。安定して33秒台のラップを刻み続け、7分1秒52でゴールすると、笑顔で両拳を握った。

 ちょうど1年前の12月31日、押切美沙紀が長野・エムウェーブで更新した7分4秒31の国内記録を大きく上回った。他にも世界ジュニア記録、大会記録、リンクレコードと、合わせて4つのタイムを一気に更新した。「嬉しさもあったんですけど、タイムを見てびっくりしました」と振り返った。

恩師の助言でフォーム修正

 今大会前には恩師である白樺学園高の和田貴志監督から、スケーティングの際に腰が曲がっているという指摘を受けた。「そこを伸ばすように練習でやって、大会でも意識しなくてもできるような感じで行きました」としっかりと修正し、最高の結果につなげた。

 レース後にはすぐさま祖父・要一さんに電話した。開口一番「すごいな、やりすぎだよ」と祝福してくれたそう。スケートを始めた中学2年から、実家のある大樹町と帯広市内を毎日送迎するなど、サポートし続けてくれた要一さんと祖母の典子さんへ最高の恩返しとなった。

報奨金5万円は家族に還元「焼き肉に」

 記録更新でゲットした5万円の報奨金は、家族に還元する。「焼肉に行くので、たまには自分が出してみたい」と太っ腹な奢り宣言。これから帰省し、年明けに地元の有名店を予約済みだという。「自分がずっと海外に行ってて、焼肉食べたいなと思って」とニッコリ。

 北京五輪出場から始まった1年を終えた。進路先だった日本電産サンキョースケート部の廃部などもあったが、富士急行に就職し、最後は立て続けに記録を更新。会場インタビューでは「すごい最高の1年でした。来年は自分が長距離を引っ張っていくような覚悟で頑張っていきます!」と高らかに言い切った。

 世界の表彰台も可能性を感じさせる。壁が高いことは一番自覚している。「これぐらいのタイムを出せば、足元には及ぶかなと思う。徐々に詰めていって、世界でも勝てるような選手になりたい」。まだ19歳、伸びしろしかない。

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