冬季スポーツ
2022/12/29 20:30

女子3000で日本ジュニア新 19歳・堀川が絶対女王・高木美帆を撃破 全日本スピードスケート選手権

女子3000で高木(左)を破った堀川(中央)は表彰台で笑顔を見せる(撮影・桶谷駿矢)

■全日本スピードスケート選手権大会 第2日(29日、青森・YSアリーナ八戸)
▽女子3000メートル

W杯では不調も「切り替えていこう、強い気持ちで臨めた」

 長距離の舞台は譲れない―。19歳の堀川桃香(富士急行、白樺学園高出)が、女王・高木に土を付けた。さらに4分4秒66は、リンクレコードと自身の持つ日本ジュニア記録を更新する好タイム。「(記録更新を)狙っていたんですけど、それが叶って嬉しい」。W杯では不調に陥り、「不安な気持ちは多少あったんですけど、切り替えていこうと思った。強い気持ちで臨めました」と、大舞台で精神力の強さを見せつけた。

 長距離の醍醐味でもある、まさに粘り勝ちだった。序盤1400メートルまでのラップを31秒台で滑り、その後は32秒台をキープし続けた。「33(秒台)まで落ちると思っていた」とのイメージだったが、この日は足が最後まで残っていた。2組前で高木がリンクレコードを記録していたが、強気の姿勢で打ち破った。

高木から「すごかったね」称賛に「自信になる」

 表彰式の際に堀川に向けて「すごかったね」と声を掛けた高木は「堀川選手がすごい良い滑りをされた」と称賛するしかなかった。憧れの先輩に勝利した堀川も「自分の中でも自信になります」と胸を張った。

 滑りのストライドが、進化した大きな要因となっている。同じく長距離を主戦場にしている佐藤と練習を共にすることが多く「綾乃さん(佐藤)は結構、滑りが大きいので、それにずっとついて練習して、少しずつ大きくなった」と堀川。直線の歩数が10歩から8歩に縮み、「去年より進むようになった」と推進力を実感している。

狙うは世界のトップ「自分の時代をつくっていけたら」

 しかし、当然ここで満足するわけにはいかない。狙うは世界のトップだ。「ラップが1秒ぐらいは速くならないと戦えないと思う。速いラップで、周回を回って、もうちょいスピードをつければ、タイムを狙える」と、さらなる上積みを見据えた。

 まだ19歳だが、今年は高校生で北京五輪に出場するなど着実に経験は積んでいる。「自分の時代をつくっていけたらいい。ずっとこの長距離界は美帆選手(高木)が引っ張ってきてくれた。(これからは)自分が引っ張っていけるように頑張りたい」。もう新星とは呼ばせない。長距離は自らの独壇場にしてみせる。