コンサドーレ
2021/10/03 14:28

札幌5発大勝 3戦ぶり白星は天国の石水さんに捧ぐ弔い星

後半2分、だめ押しとなる4点目のゴールを決めて駆け出す金子(撮影・金本綾子)

■J1第30節 コンサドーレ札幌5-1G大阪(2日、大阪・パナソニックスタジアム吹田)

 北海道コンサドーレ札幌はアウェーでG大阪と対戦し、5―1で快勝した。前半5分のMF駒井善成(29)の得点を皮切りに、MF高嶺朋樹(23)のプロ初ゴールなどで突き放した。9月26日に亡くなった石水勲最高顧問への弔意を表し、喪章をつけて臨んだ一戦で今季最多タイの5得点。ゴールラッシュを披露し、天国へ最高の弔い星をささげた。

2年目高嶺プロ初ゴール「僕たちができるのは札幌を大きくしていくこと」

 2戦連続の完封負けから一転、せきを切ったようなゴールラッシュ。意思統一された積極的な守備でボールを奪うと、卓越した個人技で相手を翻弄した。
 今季最多タイ5得点を奪っての圧勝に「追悼試合で、何が何でも勝利したかった」とペトロビッチ監督。特別な思いを胸に秘めたイレブンは、強かった。
 前半5分、思惑通りに高い位置でボールを奪ったMF駒井が、そのままゴールネットを揺らした。「大事な先制点を取れて良かったし、チームに落ち着きが生まれたと思う」。同32分にはMFルーカスが華麗なドリブルで守備網を切り裂き、追加点を奪った。
 同40分には右サイドからのボールを中央で受けた高嶺がワントラップで左足一閃(いっせん)。強烈なミドルシュートをゴール右に突き刺した。プロ2年目で待望の初ゴールを記録し、「このまま今年も0点だったら昨年と変わらない。1点取れて昨年と違う自分を証明できた」。両拳を力強く握り、静まりかえるスタンドに歓喜の叫びを響かせた。
 高嶺はクラブ創設翌年の1997年に産声を上げた道産子だ。生まれた頃からコンサドーレが当たり前に存在し、札幌のアカデミーで技術を磨いてプロサッカー選手になった。
 「僕たちができるのは、試合に勝ってコンサドーレをさらに大きくしていくこと。その第一歩になったと思う」と頼もしく言った。クラブ誕生から四半世紀。石水さんが描いた未来は、北の大地にしっかりと根付いた。
 後半もMF金子、FWドウグラスが加点。コンサドーレらしく、攻め続けた。3試合ぶりの勝利に「こうしたゲームをこれから先も積み重ねていきたい」とペトロビッチ監督。格別の白星を、天まで届けた。(石栗賢)

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