ドラ1左腕・矢沢が男泣き!10回1失点の熱投でV導く 首都大学秋季リーグ

■首都大学野球秋季リーグ戦 日体大4-1桜美林大(22日、神奈川・等々力球場)
二刀流男が大一番で投手に専念
ドラ1快投&男泣き! これが矢沢だ! 日本ハムからドラフト1位指名を受けた日体大の矢沢宏太投手(22)が22日、首都大学秋季リーグ桜美林大戦(神奈川・等々力球場)に先発登板し、10回9奪三振1失点で4―1の勝利に貢献。チームを20年秋以来4季ぶり25度目の優勝に導き、感動の涙を流した。二刀流プレーヤーだが、この日は投手に専念。延長十回1死二、三塁のピンチを連続三振で切り抜けるなど、気迫の投球を見せた。
野球人生初の、うれし涙だ。大学4年間、苦楽を共にしてきた仲間たちと戦う最後の大会で、リーグ制覇を成し遂げた。先発を託された矢沢は延長10回135球を熱投し、5安打1失点。同十一回に味方が3点を勝ち越し、勝負は決した。試合後、スタンドで大喜びするベンチ外の部員たちが目に入ると、こらえきれず目を潤ませた。
「優勝できてうれしい。スタンドのみんなが、自分がメンバーに入っていないのにあれだけ喜んでくれて、本当に良かったと思いました」
絶体絶命だった。九回に暴投で追いつかれ、1―1で迎えた延長十回。タイブレークで無死一、二塁スタートだったが、先攻の日体大は得点を奪えなかった。「終わったかもしれない」。サヨナラ負けが脳裏をよぎったが、すぐに「ここで気持ちが折れたら話にならない。絶対に0で帰ってくるぞ」と奮い立った。
十回1死二、三塁から連続三振
ここから、ドラ1左腕の本領発揮だ。先頭打者の犠打で、1死二、三塁とされたが慌てない。「失策の可能性もあるので、前に飛ばさせたくないと思って、2つとも三振を狙いにいきました」。後続を得意のスライダーで狙い通り2者連続空振り三振に斬り、マウンドで雄たけびを上げた。
指名あいさつ、取材対応…多忙でもチームのため調整に集中
今月11日に日本ハムから1位指名が公表された。それでも、リーグ優勝という目標は一切ぶれなかった。ドラフト会議が行われた20日も、練習はサボらない。通常夕方に行うトレーニングができないことを見越し、午前中にきっちり身体を動かした。
指名あいさつや取材対応など、野球以外のことに多くの時間が割かれたが、浮かれることなく調整に集中。「空いている時間で、しっかりと自分のパフォーマンスをするために、準備していくことを意識した。試合になれば、個人的な感情を入れないように、チームで戦っていくことを大事にやりました」と、この日の快投につなげた。
11月7日に関東大会が始まり、勝ち抜けば明治神宮大会を戦う。「ここからは負けたら終わり。結果を残せるように頑張りたい」。大学日本一の肩書を引っ提げて、プロの世界に殴り込むつもりだ。