ファイターズ
2022/10/18 06:00

侍・栗山監督インタビュー「テーマは、はばたく」色紙に思い込め「翔平の『翔』も感じて」

北海道にも縁が深い「翔」の一文字に、強化試合へと向かう思いを込めた侍ジャパンの栗山監督(撮影・松本奈央)

11月5日からの強化試合で新生JAPAN初陣

 北の大地から世界へ羽ばたく―。野球日本代表の栗山英樹監督(61)がこのほど、11月に開催される強化試合「侍ジャパンシリーズ2022」を前に本紙のインタビューに応じた。来春のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)を見据えた4試合。5日に日本ハム(東京ドーム)、9、10日には札幌ドームでオーストラリアと対戦する。どんな思いを胸に戦うのか。代表メンバーに選出した日本ハムの伊藤大海投手(25)、近藤健介外野手(29)への期待も明かした。(聞き手・中田愛沙美)

思い出の札幌Dでラストゲーム指揮「神の導きとしか思えない」

 侍ジャパンの指揮官として初陣となる強化試合に向けて、栗山監督がしたためた漢字一文字は、「翔」だった。空を高く飛ぶという意味を持つ言葉に込めた思いとは。

 「テーマは、はばたく。新しいものが始まる感じ。新生日本代表として新しい形になって、みんなが一生懸命はばたいていくスタートだし、初めての海外チームとの試合。ファイターズも新たな球場に向かって、はばたいていかないといけない。過去の歴史も考えて、ファイターズにもピッタリの文字のような気がしました。それこそ、勝手に(エンゼルス・大谷)翔平の『翔』も感じてくれればいい」

 オーストラリアとの2連戦は、昨季まで10年間指揮を執った日本ハムの本拠地・札幌ドームが舞台となる。来季から新球場へホームを移転。思い出深い球場での“ラストゲーム”に、熱い思いをたぎらせている。

 「北海道の皆さん、ぜひ応援に来てください。札幌ドームで最後、試合ができるというのは、本当に神の導きとしか思えない。ひたすら札幌ドームに感謝している。すばらしい試合を見てもらえるように全力でいきます」

伊藤大海は「先発させるつもりはない」重要な役割任せる

 日本ハムからは昨夏の東京五輪で金メダル獲得に貢献した伊藤と近藤をメンバーに選出した。球数制限のあるWBCでは、第2先発の役割が重要になる。チームでは先発を担うプロ2年目の道産子右腕も候補の一人だ。

 「大海に関しては先発させるつもりはハッキリ言ってない。先発投手はある程度いる。第2先発だったり、後ろの難しいところで投げられる人の存在はものすごく大きくなる。そこは見てみたいなと思います」

 大学日本代表で守護神を務めた経験があり、今季終盤には新庄監督たっての希望で抑えテストを実施。昨季先発として起用していた栗山監督も、伊藤の幅広い適性を認識していた。

 「最初から後ろのプランもあった。全部のポジションができるし、どこでも投げられる。長いイニングも短いイニングも、準備しなくても投げられるのが大きい。プレッシャーがかかろうが、ある程度のベースで投げられるのも彼の特長。それは僕が一番分かっている」

日本ハム〝同期入団〟近藤は「ここ一番で絶対的な存在」

 28人中15人が初選出という若いチームで、栗山監督が全幅の信頼を寄せるのが近藤だ。昨季まで10年間ともにプレー。卓越した選球眼とバットコントロールを高く評価し、打線の中心を任せてきた。

 「一番塁に出る確率が高い選手。ここ一番、ランナーに出ないといけない時に絶対的な存在であることは間違いない。ベンチにいてもいろんな仕事ができるし、塁に出やすいバッターであることは間違いない」

 今季は右脇腹の肉離れによる離脱もあり、満足のいくシーズンではなかった。99試合の出場にとどまったが、打率.302をマークし、選手会長としてもチームを鼓舞した。

 「本当にいろんなものを背負ったシーズンだったな。残った数字は近ちゃんからしたら物足りないけれど、そういうことをやりながら、あそこまで(成績が)残ったことを評価してあげていい」

3大会ぶり世界一へ「大前提として絶対に勝ちきる」

 WBCで目指すのは、3大会ぶりの世界一奪還。強化試合とはいえ、一試合一試合に全力を尽くす。

 「大前提としては、絶対に勝ちきる。今できる全ての準備をして、3月に向かわなきゃいけない。高ぶって、さあいこうというよりも、絶対にやり残さないように、という気持ちの方が強いです」

 北海道から世界へ。栗山ジャパンが、いよいよ船出を迎える。


ブルペン捕手・鶴岡氏は世界一への「秘密兵器」
160キロが捕れて、俺に『違います』と言えるのは鶴岡さんだけ

 2021年シーズンを最後に引退した日本ハムOBで、本紙評論家の鶴岡慎也氏(41)が「秘密兵器」として栗山ジャパンに加わる。11月の強化試合から、来年3月のWBCまでチームスタッフに名を連ね、主にブルペン捕手を務める。

 栗山監督は「160キロのボールが捕れて、変化球に目がついていけて、俺に『監督、違います』と言えるのは鶴岡さんしかいないでしょ」と力説。日本ハムとソフトバンクで19年間にわたり捕手としてプレーするなど経験豊富で、19年から昨季までは指揮官の下で選手兼任コーチを担った。

 「バッテリーコーチが2人いるようなもの。ブルペンでの、ちょっとしたアドバイスで投手が変わったりする」と期待は大きい。「ツルもコーチの肩書よりも、日本代表のために尽くしますと言ってくれている」。世界一奪還へ、鶴岡氏が貴重なピースとなる。

栗山監督の秘密兵器として侍ジャパンに加わる鶴岡氏

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