高校野球
2022/10/09 22:45

クラークが初の秋連覇へ王手 エース新岡が7回76球完封コールド 秋季全道高校野球

7回76球の省エネで準決勝を完封したクラークのエース新岡投手。下手投げも織り交ぜる幻惑投法で支部大会から38回自責0を続ける(撮影・松本奈央)

▽秋季全道高校野球準決勝 クラーク7-0立命館慶祥(9日、札幌円山)

 準決勝2試合が行われ、クラークが7―0で立命館慶祥を七回コールド撃破。初優勝した昨秋に続き、北北海道地区としては史上初の秋2連覇に王手をかけた。先発したエース右腕・新岡歩輝投手(2年)は2安打無四球で完封勝利。打っても三回の先制打を含む2安打3打点と投打に活躍した。10日に予定していた決勝は荒天が予想されるため、11日に順延となった。

支部大会から38イニング自責0 五回以降は下手投げ織り交ぜ

 クラークの大黒柱・新岡が、会心の投球で立命館慶祥打線をわずか2安打に抑え、2年連続で決勝へと名乗りを上げた。「投手でもうまく自分のスタイルで打ち取れた」。全道大会3試合を全て1人で投げ抜き、支部大会から続く自責0を38回に伸ばした。

 一回、先頭打者にチェンジアップを中前に運ばれると、ギアが入った。次打者がカウント2―2からヒットエンドランを仕掛けてきたが、「真っすぐがうまく外に決まった」と三振に取ると、麻原草太捕手(2年)が二塁で盗塁死を奪ってピンチを脱出。さらに四回に「直球を相手に捉えられてきた」と、五回以降は変化球を主体に下手投げを織り交ぜ、3イニング連続で三者凡退。三塁を一度も踏ませず、付けいる隙を与えなかった。

打っては2安打3打点でチームけん引「自分が投げないと勝てない」

 夏までは左右の二枚看板に隠れて3番手。主に遊撃を務めた。新チームでは主将に就任。「自分が投げないと勝てない。大会を進んでいくためには球数は大事になってくる」と、各打者への初球を大事に組み立て、この試合は7回76球。「決勝も打撃でも貢献して、投手としてはいつも通り打たせて取る」と、大車輪の活躍を誓った。

 佐々木啓司監督(66)も大絶賛だ。「きょうはキレキレ。真っすぐは、今までで一番じゃないか。この雰囲気を決勝戦にうまく出してくれるんじゃない?」。指揮官の絶大な信頼を受けるエースが、快挙達成へ決勝のマウンドに上がる。

あわせて読みたい