プロスポーツ
2022/08/05 16:08

異名は「初見殺し」 札幌出身のキックボクサー・山本が6日プロデビュー

6日にキックボクシングイベント「KNOCK OUT」でプロデビューする山本

「KNOCK OUT」に出場

 「初見殺し」の異名を持つ男がキック界を盛り上げる! 札幌市出身の山本響己(23、K&Kボクシングクラブ)が6日、キックボクシングイベント「KNOCK OUT」(東京・新宿FACE)のフェザー級でプロデビューする。初対戦の相手が必ず嫌がるという変則スタイルを武器に最強の座を目指していく。

主導権を握ることがほぼ100%

 試合やスパーリングで初めて対峙する相手に必ず「やりづらい」と言われ、山本が主導権を握ることがほぼ100%だという。いつしか付いたあだ名が「初見殺し」だ。

 「タイミングがずれて、奥から出てくるパンチやキックが伸びてくるらしい」。相手は見えてるのに、もらって面食らう。サウスポーに加えて、天性のタイミングが相手には脅威となる。「特にミドルキックは武器」だ。

 高校、大学時代はパンチを磨くためにボクシングに専念し、卒業後から得意なキックと融合させて現在のスタイルを築いた。キックの公式戦となると中学3年以来、8年ぶり。大きなブランクであり、近年はけがやコロナ禍もあって試合から遠ざかっていた。「プロデビューも延び延びになっていて久々の試合ですし、未知な部分もあるけど、楽しみの方が大きい」と試合が近づくにつれ、逆に武者震いしている。

目指すは那須川天心

 天才・那須川天心と武尊の歴史的一戦でキックボクシング界は空前の盛り上がりを見せた。「夢があるし、キックで東京ドームが満員になるなんてすごい」。那須川とは同じ年で、中学生で出場したアマ大会「藤原敏男杯」でも一緒。他を圧倒する才能は憧れだった。相手に打たせずに、自ら打っていくスタイルは共通しており「同じサウスポーで技術などメチャクチャ参考にしています」

 目標である天才に近づくにはまず、このデビュー戦をクリアしなければいけない。「自分はキックのオタクだし、臆病なので徹底的に研究する」と相手のデータはしっかり頭に叩き込んでいる。

 知人を中心にスポンサーもついて、遠征費などを賄ってくれている。「支えてくれる人のために勝ちたい。プロなので、上手さや怖さを見せつつ、倒して勝てる選手になってチャンピオンを目指したい」と意気込む。「初見殺し」がはまれば、記念すべきデビュー戦を飾れるはずだ。

■プロフィール

山本 響己 (やまもと・ひびき) 1999年2月23日、札幌市生まれ。小学2年から空手を始め、同4年時にK&Kボクシングクラブで競技を始める。キックでは藤原敏男杯で中学1年(40キロ級)、3年(50キロ)で準優勝。ボクシングでは尚志学園高(現・道科学大高)3年時に国体ライトフライ級3位、明大3年時に全日本選手権フェザー級7位。170センチ、62キロ。家族は両親。血液型A。
 

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