ファイターズ
2022/07/13 23:30

「打席の中で迷うことはやめた」 野手最年長・木村が今季1号の逆転3ラン

0―1の七回2死二、三塁で雨を切り裂く逆転3ランを放った木村。一撃で試合をひっくり返した

■日本ハム3ー2楽天(13日、静岡)

 一振りに懸ける強い思いが、バットに乗った。1点先制された直後の七回2死二、三塁。打席に入った木村文紀外野手(33)が魅せた。1ストライクから楽天・則本が投じた150キロ直球をフルスイング。真芯で捉えた打球は、瞬く間に左翼席に吸い込まれた。

 今季1号の逆転3ランでチームを3年ぶりの5連勝に導いた。木村は「9番は打席が少ないですし、その中でああいうすごいチャンスで回ってきた。本当に打席の中で迷うことはやめて振り抜いた。素晴らしい結果になってくれた」と振り返った。

「毎日がトライアウト」

 今季の初昇格は6月21日。ここまで11試合に出場し、打率.192と結果は残せていなかったが、思い切りの良いスイングに新庄監督もひかれていた。「毎日がトライアウトと思ってやっている」と強い覚悟を心に秘めながら、静岡の夜空に最高のアーチをかけた。

 ファイターズが生まれ変わった今シーズン、スタートでつまずいた。イースタン・リーグの開幕直後に左太もも裏を肉離れし、全治3カ月の診断を受けた。今年で34歳を迎える野手最年長だが、気持ちが折れることはなかった。むしろ「早く治してやろう」という不屈の闘志で、2カ月での早期復帰にこぎ着けた。

 そして持ち前の長打力でアピールに成功。新庄監督も「あしたも木村君を」と、14日のスタメン起用を明言した。外野手はライバルの多いポジションだが「自分も負けないように」と心は常に燃えている。

 昨季の8月、トレードで日本ハムに加入した。30歳を超えての新天地に当然、戸惑いもあったが、後輩たちが接しやすくなるように心掛けた。周囲とも積極的にコミュニケーションを取り、チームに早くとけ込んだ。

若手に負けずに1軍完走だ

 前半戦は残り9試合。「チーム内での争いもすごい。選手が強くそう思っている結果が連勝につながっている」。若手に負けじと猛アピールを続け、1軍完走を目指す。

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