ファイターズ
2022/06/21 06:00

21日秋田で凱旋登板 輝星「ふがいない投球できない」

いざ、凱旋登板!地元秋田での先発マウンドに向け、練習で汗を流す吉田

 故郷に錦を飾る! 秋田出身の日本ハム・吉田輝星投手(21)が21日、地元で開催される楽天戦に先発する。プロ入り後初の凱旋登板に、家族や金足農高時代のチームメートらが応援に駆け付ける予定。思い出が詰まったこまちスタジアムで〝三塁側の呪い〟を解き、新庄剛志監督(50)から課された先発ラストチャンスをものにしてみせる。

コーチ陣へのアピール実った

 甲子園で金農旋風を巻き起こした秋田のヒーローが、4年ぶりに地元へ帰ってくる。新庄監督ら首脳陣の計らいで巡ってきた先発のチャンス。はやる気持ちを抑えるかのように、吉田は「そんな期待しないでください。僕の秋田登板に」と、ちゃめっ気たっぷりに切り出した。

 プロ4年目の今季は主に中継ぎとして1軍に定着。秋田開催での凱旋登板に「ワンチャンあるかな」と狙いを定め、投手コーチ陣の前で「オッシャー、秋田先発するか~」、「秋田って僕のための試合ですか」などとアピールを続けてきた。

 そのかいあって、今季3度目となる先発の権利をゲット。指揮官の「先発ラストチャンス」発言が掲載された記事に「めっちゃビックリしました」と仰天も「チャンスをもらえたので、5回以上いって、先発らしいピッチングができれば」と力強く誓った。

甲子園登板の反省生かす

 同じ失敗は繰り返さない。聖地甲子園で初先発となった5日の阪神戦では、3回4失点でKOされた。「(気持ちは)高ぶってきていますけど、それで甲子園の時は空回りした」と反省。ブルペンでは直球、フォーク中心の投球スタイルから、スライダーなどを加えた〝先発仕様〟の投げ込みを敢行。「今回はしっかり冷静に調整できている」と自信をのぞかせた。

 楽天の主催試合だが、地元の応援を味方につける。球場には両親ら家族、金足農高の恩師・中泉監督、当時のチームメートらが駆け付ける予定。「ふがいないピッチングはできない。打たれたら何を言われるか分からない」と意気込む。

三塁ベンチのジンクス破る

 不吉なジンクスも打ち破りたい。吉田にとって、こまちスタジアムでの登板はエースとして18年夏の秋田大会決勝で明桜高に勝利して以来。日本ハムはビジターのため、ベンチは三塁側となり「こまちスタジアムの三塁側にいい思い出がない」と苦笑いする。

 甲子園出場を決めた3年夏は第1シードだったため、全試合で一塁側ベンチを使用。「こまちで唯一、三塁側だったのが(2年夏の決勝で現ロッテの外野手)山口の(いた)明桜に負けた時だった」。ベンチ前で「ギャン泣きした」苦い記憶が残るだけに「打ち破りたいっすね。三塁側の呪い」と鼻息は荒い。

 プロデビュー戦以来の先発勝利が懸かる一戦のプレーボールは午後6時。温かい声援をパワーに変えて、吉田が慣れ親しんだマウンドで躍動する。

憧れの投手・則本と初対決「ベンチで余裕があれば見たい」

 地元で憧れの人と初めて投げ合う。楽天の先発は、吉田がかねて目標とする投手に掲げていた則本。「数段格上のピッチャー。大量得点は取れないと思うので、ゼロで抑えるのが絶対条件」と表情を引き締めた。投球術やフォームを間近で見る絶好の機会となるだけに「ベンチでちょっと余裕があれば見たい。それくらい余裕があるようなピッチングができれば一番ベストですね」と意気込んだ。

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