Vリーグ
2022/05/08 22:05

ヴォレアス越川が引退会見「最高の現役人生」今後は北海道拠点に次世代育成へ

越川は、今後フリーとして、北海道を拠点にバレーボール界のジュニア世代の育成と普及に取り組むことを明言した(撮影・西川薫)

「越川優がやらないといけないことを、北海道で形に」

 バレーボールV2男子ヴォレアス北海道のアウトサイドヒッターで、2008年北京夏季五輪に出場した元日本代表・越川優(37)が8日、札幌市内で現役引退会見を行った。チームとの契約終了後、6月からは自宅のある旭川を活動拠点として、道内のジュニア育成と普及に取り組み、自らを育ててくれた日本のバレーボール界に恩返ししていく。

 スーツ姿で会見場に現れた越川の表情は、晴れやかだった。「本当に人に恵まれて、最高の現役人生を送らせていただきました。ありがとうございます。今後、私が進む道は、私が経験してきたこと、私が教わってきたことを、次の世代に伝えること。越川優にできること、越川優がやらないといけないこと、これを北海道で形にしていきたい」。学生世代や競技未経験の子供たちへの指導や底辺拡大に尽力するつもりで、すでにコーチ資格取得にも動きだしている。熱いまなざしからは、北海道に骨を埋める覚悟すら感じさせた。

加入から2年 今季は初のV2優勝「ひとつ目に見える結果出せてきた」

 越川が加入した2シーズン、ヴォレアスは2度の入れ替え戦進出。今季は初のV2優勝を果たした。「昨年より今季の方が調子が良くて、体もつくれていた。その中で自分が目指すプレーだとか、V1でプレーするための体力を考えた時に、今年が限界だなと思いました。その中で、ヴォレアスに対してV1昇格という置き土産を残すことができなかったんですけど、自分が自分の力で果たすことができるのは今年が最後だなと思ったのが一番の決め手。自分としては100%やってきたつもり。ひとつ目に見える結果は出せてきた」。現役へのこだわりは、きっぱりと否定した。

 今後は、競技の垣根を跳び越えた活動も視野に入れる。「バレーをやって良かったと思える人を一人でも増やしたい。ビーチバレーもそうですし、スノーバレーの認知も含めて自分ができる範囲でやっていきたい。北海道は日本の中でもたくさんのスポーツに力を入れている。アイスホッケーやカーリング、スキーにスノボなど冬のスポーツもある。スポーツというくくりで、特に子供たちにやってあげられることがたくさんある」。行政や企業とも連携を取りながら、活躍の場を模索していく。

29日ファン感謝イベントを最後の舞台に次のステージへ

 今月末まではヴォレアスの一員。29日のファン感謝イベントが選手としての最後の表舞台。それが終わると、競技人生に一段落がつく。「コロナ禍で旅行に行けていないので、少し時間ができたら行ってみたい。そのためにワクチンも3回打ちましたし」。最後は笑いも交えて話すなど、自身の引退に対して涙するようなシーンはなかった。充電期間を経たら、ヴォレアスの元エースは、再び次のステージへ歩き出す。

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