冬季スポーツ
2022/02/19 13:22

スピードスケート 森重1000は失速16位 うれしさと悔しさ残った初五輪

レース後、右脚を押さえる森重。喜びも悔しさも味わった自身初の五輪舞台が終わった(撮影・野沢俊介)

【北京(中国)18日=島山知房】

 スピードスケートの男子1000メートルが行われ、500メートル銅メダリストの森重航(21、専大3年、別海上風連中出)が1分9秒47で日本勢トップの16位。4年後のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向け、さらなる成長を誓った。新浜立也(25、高崎健康福祉大職、釧商高出)は1分10秒00で21位だった。

 2つ目のメダル獲得はならなかった。ゴール後にタイムを確認すると、険しい表情を浮かべた森重。「ラスト1周がいつもの滑りとはいかずに崩れてしまった」とレース後半の失速を悔やんだ。

 500メートルに専念するため、今季初参戦のW杯でも出場がなかった種目。「展開通りにいけた」と前半600メートルは全体3位で通過した。しかし、最後の1周(400メートル)は「前半飛ばしていたのもあるけど、リンク(氷)が重かった」と大幅にラップタイムが落ち、上位に食らいつくことはできなかった。

 喜びも悔しさも味わった初めての五輪が終わった。4年に1度の特別な大会を経験し、2種目それぞれの課題を実感した。「500メートルは(最初の)100メートルで差をつけられているので、まずはそこを改善する。1000メートルはラスト1周、それまでの600メートルを楽にラップを出せるようにしたい」と冷静に足元を見つめた。

 今季は国内シニア大会初Vから、W杯でも優勝。五輪の表彰台にも上がり、スピードスケートの男子個人種目(マススタートを除く)で日本勢唯一のメダルを獲得した。

 4年後の五輪では日本男子を引っ張る存在にもなりえるが「ここからまた伸ばしていくのは、楽な道のりではない」と気を引き締める。「(今季)まずは海外大会が2つあるので、最後までやり切りたい。来季からは4年後に向けて、一年一年を大切にやっていく」と先を見据えていた。

新浜 不完全燃焼21位

 原因不明の不調に新浜は首をかしげた。

 日本記録を持つ500メートルではスタート後にバランスを崩し20位。この日の1000メートルでは好スタートを切ったかに思われたが、自己ベストから2秒近く遅いタイムでゴールした。

 「滑りは悪くなかったにもかかわらず、600メートルの通過が遅かった。何であそこまで遅かったかは分からない。現状がこれなのかなと受け止めている」とレース後は涙を見せる場面もあった。

 本来の力を出し切れず、不完全燃焼で終わった初めての大舞台。「4年に1回しかないゲームで、ベストを尽くすのは難しいと実感した。この経験をメンタルや技術面に生かして、成長した自分になりたい」と再起を誓った。

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