《ハム番24時》矢沢 胸に響いたエースの願い 6月4日
試合開始の2時間ほど前。小雨の中、外野手がノックを受けていた。ドーム球場とは異なる風や日差しを想定して飛球の見え方、追い方を入念に確認していた。
3日の試合。先頭に右中間方向への二塁打を許した。試合後、先発の伊藤がこの場面に触れ「準備もそうですし、風だったり光の入り方だったり、確認できることはあったと思うので。僕は1週間に1回なので、それ相応の気持ちでマウンドに上がっている。もうちょっとやれることはあったかなと僕は思います」と言及していた。
前夜は出場機会がなかった矢沢にマツダスタジアムの外野守備の難しさについて聞くと「風じゃないですか。あと(ナイターの)試合開始直後は太陽が低い位置にある。フライは見えづらいですね。一番難しいのはライトだと思います」と教えてくれた。もちろん、異なる環境への適応を重視し「風である程度、(打球の落下地点を)予想しないといけないし、予想だけで行くとイレギュラーなフライが来た時に慌ててしまう。予想しながら実際のボールに対応する、ということは、いつも稀哲さん(森本外野守備走塁コーチ)に言われます。風が強い場合、打った瞬間の打球判断で、センターが捕ると思ってもライトに流れたり、レフトに流れたりします。前もってどれだけ準備して、コミュニケーションを取ってできるか、かなと思います」と注意を払っていた。
試合に入ると、外野手は相手打者の傾向に沿ってポジショニングを細かく変える。矢沢は「前もって太陽の位置を確認して、万中(万波)はセカンドの奈良間に『ちょっとフライが見えにくいかもしれない』と伝えたり、周りの選手とコミュニケーションを取っていました。難しいプレーだったと思います」と仲間の心情を思いやった。
試合後に伊藤が発した言葉は外野手の一人として重く受け止めていた。「求めているものが高いというのは、ありがたいことだと思います。それだけ試合に懸けているという気持ちが伝わってきました。僕らは、いい準備を毎日して、試合に臨んでいきます」。投手と野手は助け合い。エースの願いはしっかりと伝わっていた。