大相撲
2022/01/24 14:59

V逸も矢後堂々11勝

優勝決定戦で琴勝峰(左)と激しく、ぶつかり合う矢後。寄り切りで敗れ、惜しくも十両優勝を逃した(撮影・富田茂樹)

 大相撲初場所千秋楽は23日、東京・両国国技館で行われ、西十両14枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)があと一歩のところで十両優勝を逃した。本割で敗れ、11勝4敗で並んだ西2枚目・琴勝峰(22、佐渡ケ嶽)との優勝決定戦でも黒星を喫した。自身初の十両Vこそ逃したが、尾車部屋所属で迎える最後の場所で大きく勝ち越した。再入幕の西前頭14枚目・一山本(28、岩内出身=放駒)は連敗を「7」で止め、5勝10敗で終えた。

自身キャリアハイ「充実していた」

 優勝への“マジック”を「1」とした矢後がまさかの2連敗で栄冠を逃した。まずは本割。3敗で並んでいた琴勝峰が先に土俵へ上がり、4敗目を喫した。勝てば文句なしの優勝だった矢後だが、東2枚目の錦木(31、伊勢ノ海)に押し出しで敗れた。
 十両のV争いは決定戦へともつれ込んだ。矢後はここでも勝てず、初優勝に手が届かなかった。本割の13日目に勝利していたが、今回は琴勝峰に寄り切られた。
 息を弾ませながら、オンライン取材に応じた矢後は「悔しいです」と何度も繰り返し、「仕方ないです」と唇をかんだ。
 恩返ししたかった。尾車親方(64、元大関琴風)の定年で、部屋が今場所限りで閉鎖となる。矢後は「お世話になってきた。最後なので勝ちたかった」と悔やんだ。
 ただ、キャリアハイとなる11勝を挙げたのも事実だ。入念なケアで両膝と腰の痛みが改善され、本領発揮した。「気持ちも体も充実していた」と胸を張った。
 3月の春場所で再スタートを切る。今後は、兄弟子の押尾川親方(42、元関脇豪風)が興す押尾川部屋の所属となる見込み。番付も十両上位となることが確実だ。「いい気持ちで(春場所を)迎えられるように、しっかり準備したい」。元アマ横綱で幕内での勝ち越し経験もある。再入幕、さらなる飛躍へ。矢後は歩みを止めない。

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