「7・7の呪縛」解けた一山本 目指すは10勝! 場所中に「日に日に増えていく」ものとは…
夏場所へ向け、稽古に励む一山本=撮影・近藤裕介
自身最高位の西前頭4枚目で夏場所へ
大相撲夏場所が11日、東京・両国国技館で初日を迎える。岩内町出身の一山本(31、放駒)は、2場所連続で自身最高位の西前頭4枚目で臨む。
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3月の春場所では横綱・豊昇龍を下して初金星を獲得するも、7勝8敗と負け越した。それでも番付運に恵まれて同位にとどまり、大きく勝ち越せば三役も狙える位置をキープしている。
夏場所で勝ち越しを目指す一山本(左)
9日目に横綱撃破も負け越し
先場所を振り返ると、喜びと悔しさで後者が上回る15日間だった。9日目に初めての結びの一番で金星を挙げ、この時点で5勝4敗。3場所連続の勝ち越しが視界に入りかけたが、11日目からまさかの4連敗で8敗を喫した。
「負け越したのが、やっぱり一番、悔しいです。金星を取ったのはもちろんうれしいですけど、(15日間の)結果が全てなので。負け越したことをしっかり反省して、今場所に生かせればなと思っています」と巻き返しを誓っている。
3月の春場所では横綱・豊昇龍(右)をすくい投げで破った一山本
一山本の代名詞 自信を持つ押し相撲
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勝ち越し、三役、そしてさらにその上へ―。鍵になるのは立ち合いだ。
「僕は押し相撲なので、立ち合いで押し勝たないと話にならない。しっかり立ち合いで当たって、そこから展開をつくっていけたらいいなと思います」と理想像を思い描いた。
稽古に励む一山本(左)
今年1月の初場所まで5場所連続の「7・7」
不思議な〝縛り〟は解けた。昨年5月の夏場所から、5場所連続で千秋楽を7勝7敗で迎える「7・7の呪縛」にとらわれていたが、先場所は14日目終了時点で6勝8敗。「6・8になったので、呪縛が解けました。次は8・6になるようにしたいです」と笑顔を見せた。
狙うは23年11月の九州場所以来となる2桁勝利
大きなことを口にするタイプではなく、勝ち越しを毎場所の目標にしていた。しかし、昨年3月の春場所から7場所連続で8勝7敗、もしくは7勝8敗が続いている。
「(目標を)勝ち越し、と言っているから、ちょっとダメなんですかね。『10番、勝ちます』と言っていたら、ちょうどよく8勝ぐらいになるんですかね」と思案。ちゃめっ気を出しつつ、「10番、勝てるように頑張ります!」と10勝宣言も飛び出した。

また始まる激闘の日々 通算300勝まであと4勝
23年の九州場所で再入幕を果たしてから、幕内の地位をキープしてきた。30歳を超えた体には、激闘のダメージが色濃く残る。「もうボロボロです。しんどいです。場所が始まったら日に日に湿布が増えていくし(笑)」
それでも、まだまだ上を目指すつもりだ。「変わらず、しっかり睡眠を取って頑張っています。枕をちょうど良い高さに合わせるのが大事です」。休息も大切にしつつ、勝負の土俵に向かっていく。