大相撲
2022/01/23 15:14

矢後 千秋楽勝って十両V決める「一番に集中するだけ」

立ち合い直前、輝と視線をぶつけ合う矢後(撮影・玉田順一)

 大相撲初場所14日目は22日、東京・両国国技館で行われ、西十両14枚目の矢後(27、芽室出身=尾車)が3敗をキープした。東筆頭の輝(27、高田川)をはたき込みで下して11勝3敗。西2枚目の琴勝峰(22、佐渡ケ嶽)と並び十両の優勝争いトップで、きょう23日の千秋楽を迎える。再入幕の西前頭14枚目・一山本(28、岩内出身=放駒)は7連敗を喫し、4勝10敗となった。

苦手輝相手にはたき込み○

 メリハリが効いていた。2度目で立った矢後が快勝だ。立ち合いで力強く当たり、輝の突進を食い止めた。次の瞬間には軽やかに引き、相手を見事に転ばせた。「動きは良かったです」。短い言葉に自信がみなぎった。
 調子の良さが苦手意識を忘れさせた。輝とは、これまで1勝3敗。しかも3連敗中だった。それでも「そういうこと(対戦成績)は考えていなかった」ときっぱり。長く両膝と腰の痛みに悩まされてきたが、今場所は入念なケアが奏功し、状態が良い。“雑念”が入り込む隙はない。
 無欲の快進撃を続けている。優勝争いでトップタイを走る。11勝はキャリアハイだ。自身の取り組み直前、同じく3敗の琴勝峰が白星を手にしても動じなかった。ただ、「一番に集中するだけ」との信条を貫いた。
 元アマ横綱。幕内での勝ち越し経験もある。当然、再入幕を目指している。「良い緊張感がある。あしたも頑張ります」。先場所は一山本が十両Vを果たした。今度は矢後の番。幕内へ早期復帰を果たすためにも負けられない。

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