3季ぶり復帰の福森晃斗 天才レフティー・中村俊輔からの直伝でフリーキックに磨き
得点した時に披露していたプロレスラー・内藤哲也のポーズを決めるDF福森=撮影・小田岳史
血たぎる悪魔の左足が〝熱狂〟約束
北海道コンサドーレ札幌に〝悪魔の左足〟が帰ってきた。横浜FCへの期限付き移籍から3季ぶりに復帰したDF福森晃斗(33)が道新スポーツデジタルのインタビューに応じ、強い札幌愛ゆえの移籍時の葛藤や、母校・桐光学園高の先輩であり昨季まで横浜FCコーチだった中村俊輔氏(47)の下で磨いた直伝フリーキックなど、この2年間のことをありのままに語ってくれた。
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強い覚悟を持って帰ってきた背番号「5」が3シーズンぶりに赤黒のユニホームに袖を通した。「血がたぎるというか、帰ってこられたなっていうのが一番の感想。やっぱり自分の良さは左足のキック。チームのコンセプトはあると思いますけど、それプラス、サポーターの皆さんをより楽しませる、ワクワクさせる、熱狂にあふれるような試合をしたいので、その中で自分の良さを出しながら、チームとして一つにまとまっていければ」。落ち着いた口調の中にも熱い情熱をみなぎらせた。

セットプレー時はエゴイストになれ
昨季、札幌のセットプレー時のキッカーは主にMF青木亮太(29)やMFスパチョーク(27)が担っていたが、そこに割って入る。「そこは譲らず、自分が蹴るべき位置であれば蹴りたい。コーナーキックに関しては、中にいる選手たちは各々の役割をしながらも自分たちのところに来い、と要求してほしい。そこはエゴを出してほしい。自分は狙って蹴りますけど、ズレる時もある。そこで中の選手が良い準備をしてくれていれば、ズレたとしても自分に来い、という気持ちがある分、より強いヘディングだったり前に出られる。点を取らなければ勝てないスポーツなので、点を取った選手に関してはものすごくアピールになる」。チーム全体がゴールに対してのエゴイスト集団になることを求めていく。
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プロとして大事にしていること
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札幌在籍9年目を迎えていた2023年シーズンは29試合の出場にとどまり、札幌では初めての無得点に終わっていた。「2試合連続で試合に出られなかった時もありましたし、スタメンで出ても50分、60分ぐらいで代わってしまうことも多かった。そこは自分の不甲斐なさもありますけど、ちょっと外の世界も見た方がいいんじゃないか。外の世界、他のチームに行って試合に出続けたい」と代理人とも相談。最終的には「試合に出続ける」という自らの信念に従い、当時J2だった横浜FCへの期限付き移籍を決めた。
福森の決断を家族も応援してくれた。「基本的に妻は自分の選択を否定しないですし、自分が思った道に行ってください、という心の広い妻なので、横浜に行きたい、というのも自分で決めましたし、一緒についてきてもらった」。2年間の横浜生活を支えてくれた最大の恩人に感謝した。

想定の上いく稀代のファンタジスタ
横浜FCでは日本サッカー界のレジェンドから直接指導を受け、技術はもちろん、サッカーに対する思考の幅も広がった。現役時代に対戦経験があり試合中に話すこともあったが、移籍当初は「まず話しかけるのが恐れ多かったですね」と恐縮していた。しかし、「雲の上の存在」と、長く尊敬してきた中村俊輔からフリーキックの指導を受ける絶好の機会を逃すまいと貪欲になった。
試合の前日は必ずフリーキックの練習をし、至近距離の蹴り方をアドバイスしてもらった。「俊さんはこれをやれ、というより、二つの選択肢があった場合でも三つ目の選択肢を与えてくれるというか、こういうのもあるんじゃない? とか言ってくれる。自分の中になかった、さらに一つ上の選択肢を与えてくださるので、幅も広がる」。試合中であっても「ベンチ前のフリーキックとかであれば俊さんが出てきて、ちょっとあそこに蹴って、とか言ってくれるので、それを実行しながらコミュニケーションは取ってくれてましたね」。移籍1年目は38試合に出場して2ゴール14アシストと、J2アシスト王となって結果にも直結した。

札幌の動向は移籍中も常にチェック
当初は1年での復帰を考えていた。しかし横浜FCがJ1昇格を果たした一方、札幌はJ2に降格。熟考の末、「31歳でしたし、サッカー選手である以上はJ1の舞台で、日本で一番上のところでやりたい、という気持ちが強かったので、もう1年延長させていただいた」。ただし、昨季は「もし横浜FCがJ1に残っていたとしても、札幌に帰ることは決めていた」。札幌の試合も逐一映像でチェック。「(試合の)時間帯もJ1とJ2で違いましたし、かぶっていたとしても自分の試合が終わった後に90分通して見てました」。カテゴリーが違い、遠い地でプレーしていても札幌の動向は常に頭の中にあった。
若手選手と切磋琢磨して成長も促す
2月8日に開幕戦を迎える百年構想リーグは昇降格がないことから若手主体で臨むことが予想されている。福森は昨年12月で33歳。ディフェンダー登録では大﨑玲央(34)に次いで上から2番目だ。「若手主体(の流れ)を壊しにいく。けがさせるっていう意味じゃないですけど、実力で、プレーで、まだ上(の世代)もやれますよ、というところを見せていきたい。若手の成長も、ものすごくチームにとっては大事だと思うし、強いチームは若手の選手が下からどんどん出てきます。上の選手は若手がどう伸び伸びプレーをできるようになるかを気に掛けながらやれば、良いチームになるんじゃないかな。若手主体ですけど、そこに割り込んでいけるようにやるだけ」。天才レフティーの後継者が、再び見る者を熱狂の渦に巻き込む。
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