コンサドーレ
2025/11/29 16:30 NEW

深井一希はいかにして「不屈の男」となったのか

現役最後の試合でスタメン出場したMF深井(右)=撮影・小田岳史

■J2最終節 札幌3-0愛媛(11月29日、札幌・大和ハウスプレミストドーム)

アカデミー時代から札幌一筋22年

 北海道コンサドーレ札幌のMF深井一希(30)が愛媛との今季最終戦を最後に13年間の現役生活を終えた。キャプテンマークを巻いて3シーズンぶりの先発を果たし、サポーターからは背番号の「8」と2013年からの所属年数を表したコレオグラフィーで迎えられた。試合にはボランチでチームの舵を取り、58分間出場して3-0の勝利に貢献。これまでと変わらぬタフでクレバーなプレーを披露し、プレドに駆けつけた1万8612人の観衆を沸かせた。後半13分にMF木戸柊摩(22)との交代を告げられると、両クラブの選手たちから花道をつくって見送られ、最後のピッチへ深々と一礼すると、会場全体からは万雷の拍手を送られた。アカデミー時代から札幌一筋22年。ついに赤黒のユニホームを脱ぐときが来た。

試合開始前、サポーターがコレオグラフィーでMF深井を迎えた

 

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ユース時代は南野らとU-17W杯

 〝不屈の男〟がプロ選手としての仕事を全うし、現役最後のピッチを後にした。深井は13年に札幌U-18からトップ昇格すると、Jリーグ通算207試合に出場。ユース時代にはプレミアリーグ優勝や南野拓実らと共に世代別代表としてU-17W杯に出場するなど将来を嘱望された。しかし、プロ1年目に左膝前十字靭帯断裂の重傷を負うと、選手生命を脅かす手術を両膝合わせて5度も経験するなど、常にケガとの戦いを強いられた。「もう膝が限界だった」。痛みに耐え続けた現役生活は、ついに終止符を打った。

後半13分、交代を告げられ、両チームの選手がつくった花道を通ってピッチを後にするMF深井(中央)=撮影・中本翔

 

小学生の頃から膝に痛み

 膝の痛みは小学生時代からあった。幼き頃から痛み止めを飲みながらプレーし、中学1年になった頃には「こんなに治らないんだったら手術して何がおかしいのか診てよ」と直談判し、初めて膝の中にカメラを入れて内視鏡手術。その時点では何も見つからなかったが、高校2年時に疲労骨折した際には膝にボルトを入れ、3年時にはそのボルトを抜く手術もしている。

 プロに入ってからは、両膝5度の手術以外にも半月板や軟骨の移植、時には脇腹にある腱を膝に移植したこともあった。「最近はもう膝に水も溜まらなくなった。溜まっていた段階はもう超えたのかな。本当に限界を超えて超えてやり過ぎた」。プロ13年目となった今年9月、ついに現役引退を決断した。

2019年10月26日ルヴァン杯決勝の川崎戦で後半アディショナルタイムに同点ヘッドを決めたMF深井(中央)

 

両親への感謝

 サポートしてくれた両親には感謝しかない。「本当に助けられましたよ。最初の方は親も膝の手術がどういうものなのか知らないし、びっくりしていたと思う。全身麻酔とか。途中から逆に慣れちゃったけど」。プロになってからは、元気にプレーする姿よりも入院やリハビリを繰り返す姿を見せることの方が多くなっていた。

 引退することを伝えたときには「もうさんざん頑張ったんだから自分のやめたいタイミングでやめなさい。よくやったよ」と、その決断を尊重し、これまでの頑張りをいたわってくれた。

自分たちの何かが悪かったんじゃ…

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